こんにちは、神結です。
GPも終わりましたが、皆様は如何でしょうか。
競技プレイヤーとして参加した多くの方は、自身の結果に納得出来なかったと思います。上位を目指して参加しているわけですが、97%くらいの人は予選落ちをするというのが今回の大会なのです。こう考えると壮絶な数字です。
幸いなことに今年は他にもリベンジ出来る大会が多そうなので、まずは夏の超CSを目指して頑張っていきましょう。
個人的には新潟は好きな都市なので、久々に行けるかも? と思うと楽しみですね。
さて、GPも終わって今週末にはいよいよ新弾の発売があります。
その中でもジャイアントはかなり熱くフィーチャーされています。というわけで今回はジャイアントの傑作デッキを紹介していきましょう。
というわけで「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。

今回は【シノビドルゲーザ】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
シノビの完成形「シノビドルゲーザ」
今回の名作デッキは戦国編の傑作、【シノビドルゲーザ】になります。
リストはひとまずこんな感じで。
全盛期は《ソウル・アドバンテージ》が4枚使えて《母なる大地》も生き残っていた時代だと思うのですが、自分は神化編以降でしか触ってないので、それが完全に出ちゃっています……。


ちょっとした時代の前後によってリストは数枚変わりますが、大枠の変更はありません。
デッキコンセプトはジャイアントシナジーによる《剛撃戦攻ドルゲーザ》の早期着地からのドロー加速、それを活かした大量のシノビによる鉄壁の防御陣形成……といったところでしょうか。
まずそもそもなのですが、ジャイアントという種族が長らくデュエマでは不遇の存在でした(当時はジャイアントとジャイアント・インセクトは完全に別種族扱いでした)。
というか当時のジャイアントって、こんな奴とか

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント / 文明 自然 / パワー7000 / コスト5
バトルゾーンにタップされていない自分のクリーチャーが他に1体でもあれば、このクリーチャーは攻撃することができない。
W(ダブル)・ブレイカー(シールドを攻撃したとき、このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
こんな奴ばっかだったので

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント / 文明 自然 / パワー8000 / コスト5
W(ダブル)・ブレイカー(シールドを攻撃したとき、このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
このクリーチャーが攻撃するとき、自分のマナゾーンにあるクリーチャーをすべて、自分の手札に戻す。
本当に使いづらい種族だったんですよ。
ですので、聖拳編のカードである《剛撃戦攻ドルゲーザ》も、最初は完全に外れSR扱いのカードでした。
シンパシー元がそんな奴らばっかだったら、そりゃあねぇ?

【 クリーチャー 】
種族 アースイーター / ジャイアント / 文明 水/自然 / パワー9000 / コスト8
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
シンパシー:アースイーターおよびジャイアント(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のアースイーターまたはジャイアント1体につき1少なくなる。ただしコストは2より少なくならない)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分のアースイーターまたはジャイアント1体につき1枚、カードを引いてもよい。
W・ブレイカー
ところが戦国編になると、徐々にジャイアントがフィーチャーされていくようになり、中でも《西南の超人》の存在はジャイアントを大きく変えました。

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント / サムライ / 文明 自然 / パワー3000 / コスト4
自分のジャイアントの召喚コストを最大2まで、少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
セイバー:ジャイアント(自分のジャイアントが破壊される時、このクリーチャーをかわりに破壊してもよい)
《フェアリー・ライフ》→《西南の超人》と繋いで5マナで《剛撃戦攻ドルゲーザ》が着地するのは流石に破格で、ドルゲーザはSRとしての威厳を完全に取り戻しました。
ちなみにこの《西南の超人》のお陰で、2→4のマナカーブで動けた時のリターンが大きいことから、「2コストのブーストを2種8枚入れる」という現代的なマナ基盤が使われるようになりました。
当時は《フェアリー・ライフ》+《青銅の鎧》というのが一般的だったので、結構大きな革命です。
(実際のところ当時のリストとか調べてみると6枚くらいに抑えたリストも多かったようですが、自分は8枚入れてた記憶があります。この辺りはコミュニティ差でしょう)
他にも《土隠雲の超人》のような優秀な小型ジャイアントに、同じく優秀なアースイーターである《スペース・クロウラー》と併せて、「大量ドローを重ねながら高打点のドルゲーザを展開していく」デッキが完成します。
そして当時、大量の手札を変換する方法として、シノビの新たに登場していました。

【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / シノビ / 文明 闇 / パワー5000 / コスト7
ニンジャ・ストライク 7(相手のクリーチャーが攻撃またはブロックした時、自分のマナゾーンにカードが7枚以上あり、その攻撃中に「ニンジャ・ストライク」能力を使っていなかった場合、このシノビをコストを支払わずに召喚してもよい。そのターンの終わりに、このシノビを自分の山札の一番下に置く)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは-6000される。
このクリーチャーが破壊される時、自分のマナゾーンに闇のカードが1枚でもあれば、かわりに自分のシールドを1枚墓地に置いてもよい。
特に今でもお馴染みの《光牙忍ハヤブサマル》だけでなく、当時のビートダウンの基礎パワーだと《威牙の幻ハンゾウ》はかなりクリティカルに刺さります。《エンペラー・マルコ》が消えていったのは間違いなくコイツのせいでしょうからね。
これらシノビを大量に抱えることで、対速攻やビートに対して無類の強さを誇っていました。
更に黒のカードを採用出来る都合上《ソウル・アドバンテージ》や《ロスト・ソウル》、《英知と追撃の宝剣》に《魔天降臨》といった豊富な妨害手段を採用出来ることでコントロール性能も上げたのが、このシノビドルゲーザなのです。
分類的にはビートダウンに該当するかと思いますが、受けもコントロールも強いということで、《エンペラー・キリコ》が本格化するまでは堂々のTier1デッキといっても過言ではなかったでしょう。
幻惑と翻弄の真骨頂
デッキの動きはかなりシンプルで、まずは2→4ジャンプを決めてから《西南の超人》を出す、というのが目標になります。
《ソウル・アドバンテージ》が大量に使えた頃はブースト→ブースト→ソアドみたいなルートも取れました。ビートにはシノビ、コントロールにはソアドって普通に最悪のデッキなんだよな。
で、《西南の超人》が場にいると《剛撃戦攻ドルゲーザ》が最速4ターン目に着地しつつ3ドロー稼いでくれるので、そこからゲームを作るといった感じになります。
また当時のパワー9000ラインというのは大抵のクリーチャーに殴り勝てるので、盤面にいてくれるだけで相当心強かったですね。
これらが引けていない場合でも、《スペース・クロウラー》がブロッカーで時間を作りつつサーチという、かなり優秀な働きをしてくれます。
また、このデッキを影で支えてくれているのが《土隠雲の超人》でしょう。

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント / シノビ / 文明 自然 / パワー1000 / コスト4
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中からシノビを3体まで選び、相手に見せてもよい。相手に見せた後、そのうちの1体を相手に見せずに手札に加え、残りを山札に戻してシャッフルする。
こちらも2→4から繋がるカードなのですが、シノビを3枚見せてそのうち1枚を手札に加えるという効果になっています。
これが如何にもカードゲームらしい味のする効果で、ドルゲーザにこそ触れないものの、追加の《土隠雲の超人》を拾ってドルゲーザのドロー元を作ったり、ビートに対してシンプルに強いハヤブサをサーチしたり、除去にも使いやすいハンゾウを持ってきたり、極めつけは相手のハンデスを牽制する《斬隠蒼頭龍バイケン》を見せることが出来ます。

【 クリーチャー 】
種族 ポセイディア・ドラゴン / シノビ / 文明 水 / パワー6000 / コスト6
W・ブレイカー
相手のターン中にこのクリーチャーが自分の手札から捨てられる時、墓地に置くかわりにバトルゾーンに出してもよい。そうした場合、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
自分のシノビの「ニンジャ・ストライク」能力を使った時、カードを1枚引いてもよい。
手札に加えるのはバイケンでなくても、当然相手は《ロスト・ソウル》など撃ちにくくなるわけです。実際、バイケンがいればロスト喰らっても盤面のドルゲーザなんかを手札に戻して立て直しが出来ますからね。
こういった広い戦い方が出来るのがシノビドルゲーザの強みでした。
ちなみにフィニッシュ自体は滅茶苦茶な数の展開をした後に手札を《ロスト・ソウル》かなんかで叩いて殴れば死ぬんですが、人によってはタッチで《光神龍スペル・デル・フィン》や夫妻ロックギミック(《聖鎧亜キング・アルカディアス》+《聖鎧亜クイーン・アルカディアス》)なんかを搭載しているパターンも見ました。
このデッキは長らく活躍しましたが最終的には《エンペラー・キリコ》系のデッキに追われて環境から姿を消します。
このデッキはあくまで「コントロールプランをサブに置いた、正当な殴り合いには滅法強いデッキ」なので、ルールを逸脱してくるしてくるデッキはダメなんですよ。
実際ドラキリは《超竜バジュラズテラ》でシノビを無力化してきますし、黒キリコは《聖鎧亜キング・アルカディアス》が強くて……という感じですね。
それでもファンも多いこのデッキは長く使われましたが、最終的には《光牙忍ハヤブサマル》と《威牙の幻ハンゾウ》の殿堂をもって解散となりました。
ドルゲは何に近い?
余談ですが「比較的自由度の高いゲーム展開が出来て、受けが滅法強い」という意味では、ドルゲはイメージ的には現代だと【4c邪王門】に近いかもしれません。


実際速攻デッキを使っているときの対ドルゲは、赤単で4c邪王門とやっているときの気持ちに近かった気もしています。
そして新弾のジャイアントたちはというと……ここにいっぱい情報があります。
なんか阿修羅像みたいな顔だったのに、随分と可愛くなりましたね……。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第45回はみんな大好き【シノビドルゲーザ】でした。
私も当時《剛撃戦攻ドルゲーザ》が中々集まらなくて困っていたのですが、「ゴッド・キングダム」で再録されたことで楽しく組んで遊んでいました。
当時はもう《ソウル・アドバンテージ》もプレ殿で、環境的にも落ち目ではありましたが……。まぁ、そこら辺のデッキには負けるわけもなく、みたいな感じでした。
あとは何より、クロニクルデッキでやってきた《怒流牙 サイゾウミスト》や《怒流牙 佐助の超人》なんかは何度も楽しく使わせていただきましたね。
というわけで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。

それではまた来週会いましょう。
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