お～っほっほっほっほ！この記事はお嬢様が乗っ取りましたわ！
目次
はじめに ～自己紹介ですわ～
改めまして庶民の皆さま、ごきげんよう。初めてお目にかかりますわね。わたくし総資産5000兆円のスーパーお嬢様、起源院 神子と申しますの。以降お見知りおきをお願いいたしますわ。やはりお嬢様たるもの、漢字三文字以上の苗字を持っておかねばなりませんわね。え、北白河？誰ですのその庶民臭い名前の方は？
ところで、わたくし最近「デュエル・マスターズ」という庶民の遊びにハマっておりますの。わたくしと同じような名前の強く美しいカードとその紹介記事がありましたから、それを組んで始めましたわ。もちろんメインパーツはG.Cフォイル版、《青寂の精霊龍 カーネル》はUGC、《テック団の波壊Go！》はCSプロモですわ！
ですが……とにかく勝てませんの！この前お嬢様仲間と紙をしばきまくった時だって、わたくしのカードと同じくらい盤面の面積を要求するやつとか手榴弾の擬人化みたいなやつで全てが無に帰ってだいぶあったまりましたし……。やはりこのゲームは庶民のゲーム、わたくしには向いていないんじゃ……はっ！
わたくし大切なことを忘れておりましたわ。起源院家の家訓は「己の強みを押し付けて勝て」……つまり、起源神とかいう謎BBPでも強化されなかった弱小アーキタイプではなく、わたくしの強みであるところの総資産額を活かしたデッキを組まなければならなかったんですの！そうとわかれば善は急げですわ！セバスチャン！わたくしの資産が活かせるカードを買い占めてらっしゃいな！
資産ゲーその1：2キルしますわ
よくやりましたわセバスチャン。わたくしの財力にかかれば普通のカードはもちろん、関係者限定ホリデープロモから種族欄に「クリチャーレース」って書いてる《ギガゲイル》※まで一瞬で集まりましたわ！まさかこの世に存在しないものまで手に入れてくるとは思いませんでしたわ。さて、セバスチャンはわたくしの資産を活かせるカードとして何を選びましたの？
※：「コロコロコミック」2003年4月号にプロモ版の写真だけ存在する謎のカード。おそらく種族欄の穴埋めテキストがそのまま残った状態で印刷されたものと思われる。実物があればコレクター垂涎の品であるが、まあぶっちゃけ存在しないと思います。
《Forbidden New Year》
【クリーチャー】
【文明】火
【コスト】9
【パワー】201711
■At the start of the game,you may give your opponent 6 sealed Duel Masters booster packs. If you do,this creature starts the game in the battle zone.（ゲーム開始時、相手にデュエマの未開封パックを6つあげてもよい。そうしたらこのクリーチャーをバトルゾーンに置く。）
■ Triple breaker(This creature breaks 3 shields.)（T・ブレイカー）
公式大会使用禁止カードではありませんの！
あ、でもわたくしは庶民の方と違ってカードショップやCS会場でなく、お嬢様同士の集まりでしか紙をしばきませんから何も問題ありませんでしたわ。なるほど、使用にリアルマネーがかかるカードを「資産が活かせるカード」としてピックアップしたんですのね。さすがわたくしの執事ですわ。
効果のほうは、未開封パック6つを相手に贈るのと引き換えにゲーム開始時に場に出せるクソデカファッティですわ。一回にかかる金額は税込1056円。1000枚でやっと百万円ちょっとですわね。わたくしの家で使っているトイレットペーパーと同じ値段と考えると大変リーズナブルですわ。未開封パックならなんでもいいので、庶民の皆様方はデュエマフェスの余ったおまけパックを渡すと原価ゼロでさらにリーズナブルになりましてよ。
これを毎回1000枚積めばどんな相手も殴り倒して……え、この前のルール改定でゲーム開始時にバトルゾーンに出せるカードは1枚制限になった？ぐぬぬ、わたくしの先を行くなんてウィザーズとタカラトミー恐るべしですわ。とはいえ、ルールには従わなければなりませんわね。ルールを無視しての勝利など、CSで神経毒や火炎瓶を使って勝つようなものですわ。
というわけで完成したデッキがこちらですわ。
※右下の禁断は《Forbidden New Year》ですわ
《Forbidden New Year》はDECK MAKERに入ってないカードでしたので、このリストだと1枚足りませんわ。《ミサイル"J-飛"》の二枚目とかを足すといいですわよ。
どうせ相手のシールドは2枚から始まることですし、2ターン目にあと2～3回殴ってそのまま勝つデッキですわ。トリガーで《Forbidden New Year》を除去されたとしてもおかまいなしに殴れば人は死にますの。やはり暴力は全てを解決してくれますわね。
あとは《炎舌実況 DJ・ショー》を使う上で欠かせないのが「デュエルジャッカー・ショー」の存在ですわ。自分の執事の戸籍名を「デュエルジャッカー・ショー」に書き換えるレベルの低いお嬢様もいると聞きますが、わたくしはスーパーお嬢様なのでそんなことはしませんの。普通に木部ショータ様にお仕事としてオファーかけて呼びますわ。
ところでセバスチャン、2ターン目に確定SA打点が作れる《火焔漁師ガンゾ》はありませんの？……え、ゲームオリジナルカードは実在しないのでダメ？さっきは非実在カード持ってきたくせに、都合がいいんですのね。
まあいいですわ、このデッキとともにお嬢様の集まる晩餐会に紙をしばきに行きますわ！今宵の主役はわたくしでしてよ！
資産ゲーその2：ハンデスしますわ
昨日はひどい目に遭いましたわ。まさか1ターン目に《♪奏でよグローリー》3枚がトリガーして出てきたジョーカーズから《ジョリー・ザ・ジョルネード》が出て、おまけに超天フィーバーの乗った《ジョギラゴン・アバレガン》と《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》で後攻ワンキルを食らうだなんて……。 あと、そうでなくてもミラーマッチがじゃんけんゲーになったり、わたくしの差し上げた6パックが会場中をぐるぐる回ったりしてデザイン意図と反した状況になっていましたわね。まあ料理がクッソ美味かったし、DJショーのサインももらいましたからアドですわ。
《Forbidden New Year》のネタはもう割れてしまいましたし、別のデッキを組みますわ。セバスチャン！この前仕入れたカードの中から、キーになるカードを用意なさい！あ、さっきと同じようなホリデーカードはダメですわよ。有料《エナジー・ライト》の《Katta's Crew is Coming To Town》やSNSでの共有必須の《Spread Joy to the World!》なんてとてもじゃないけど使ってられませんわ。まあ「できない部分は無視する」の原則があるからまったく使えないわけじゃありませんが……
《デュエマーランド～レインボー・ドリーム～》
【ドラグハート・フォートレス】
【文明】光
【コスト】3
■龍解―自分のターンのはじめに、相手に500万デュ円をあげてもよい。そうしたら、相手のクリーチャーをすべてタップし、このドラグハートを裏返す。
《デュエマーランド～ナイト・パレード～》
【ドラグハート・フォートレス】
【文明】闇
【コスト】3
■龍解―自分のターンの終わりに、相手は自分に100万デュ円をあげてもよい。あげなかったら、相手は自身の手札を1枚選んで捨て、自分はこのドラグハートを裏返す 。
なるほど、こっちが500万デュ円を持っていて相手が100万デュ円を持っていなければ効果を発揮する3コストドラグハート……つまり5マナドラグナーサイクルならなんでも毎ターンハンデスとフルタップを持って来るんですのね。これはさすがに破格ですわ。
ところでデュ円ってなんですの？……なるほど、一時期パックにおまけカードとして封入されていたデュエマ専用通貨ですのね。一定以上貯めるとグッズと交換できるシステムで、今はもう封入されてないし交換期間も終わってしまったんですの。もっと早くデュエマを始めていれば日本円だけでなくデュ円長者にもなれたのに、惜しいことをしましたわ。
カラーリングはハンデスの闇をベースにすればなんでもいけそうですわね。というわけで作ったデッキがこちらですわ。
ドラグハートを使いまくる以上、ベースは懐かしの【黒単ヘルボロフ】にしましたわ。《デュエにゃん皇帝》ループによるドラグハート展開や《零龍》まで投入した欲張り構築ですのよ。《零龍》の追加ドローは《爆霊魔 タイガニトロ》あたりで吹き飛ばしてさしあげるから問題ありませんわ。
四枚はさすがに多かったので二枚まで減らした《デュエマーランド～レインボー・ドリーム～》で相手をタップしましたら、《魂喰いの魔狼月下城》のスレイヤーパンチで除去しますわ！その後は《デュエマーランド～ナイト・パレード～》 でさらにハンデスを行えますわ。
盤面をコントロールしきったら《極・龍覇 ヘルボロフ》から《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》→《極・魔壊王 デスゴロス》で勝負を決めますの。《零龍》で一気に決めてもよいですわね。
ところで、500万デュ円の在庫はありますの？あ、それも用意してくれたんですのね。えらいですわ。6000枚もあれば一晩中配りまくっても足りるからMoMa相手でも安心ですわね。
というわけで、このデッキとともにお嬢様の集まる六本木のクラブに紙をしばきに行きますわ！今宵の主役はわたくしでしてよ！
資産ゲーその3：全知全能になりますわ
昨日はひどい目に遭いましたわ。 相手も同じことを考えていたばかりか100万デュ円を大量に持ち込まれていて、一生何も起きないまま殴り倒されてしまいましたわ……
そもそも【黒単ヘルボロフ】自体がまともにデュエマをするタイプのデッキだからどいつもこいつもデュエマをしてくれない昨今のデッキには不利がつくことを忘れてましたわ。悪いデッキではないとは思うんですが……
こうなったら、次のお嬢様の集まりでは本気のわたくしを見せつけてやる必要がありますわね。そのためには新しい切り札になるカードが必要ですわ。セバスチャン！新しいカードを用意していらっしゃいな！今回は自分で剥きますから、一番新しいパックを用意するんですのよ！
うーむ、最新パックを開けてパック系カードを確認したはいいものの、どれもパッとしませんわね……完全に「その1」でのホリデーカードの見過ぎで脳が麻痺していますわ。こういう時は別のカードを……あら？
これは……何度も使い回したら強いと思ったら、プレミアム殿堂カードですのね。デッキに一枚も積めないカードなんて意味が…………ハッ！
わたくしひらめき丸！
デッキに積めないなら……デッキ以外から持ってくればいいんですのよ！セバスチャン！この前のホリデーカードを出しなさい！
《DECKY THE HALL》
【呪文】
【種族】ジョーカーズ
【文明】ゼロ
【コスト】12
■ Open one of your sealed Duel Masters booster packs and play any number of cards form it for no cost. Add the rest of the pack to your collection.
（自分のデュエマ未開封パックを１つ開け、その中から好きな枚数のカードを、コストを支払わずにプレイする。残りを自分のコレクションに加える。）
これですわ！これこそが（入手手段が限られ過ぎていて）わたくしにしか組めず、（資産的コストのため）わたくしにしか回せないデッキのキーパーツ……わたくしのためのカードですわ！
というわけで組んだデッキがこちらになりますわ。
※右下の《天頂秘伝ゼニス・レクイエム》は《DECKY THE HALL》ですわ
パッと見ではマナ加速とドローしか入ってない、何がしたいのかよくわからない感じに仕上がったこのデッキには、わたくしが全知全能になるループが含まれておりますわ。
前提：十分な財産とカードパックの在庫とパックを剥く時間（無限にあるのが望ましい）、バトルゾーンに《最高学府 インテリエイル》、マナゾーンに《ミスティック・クリエーション》、《再誕の聖地》×2、《DECKY THE HALL》、手札に《ミスティック・クリエーション》
①《ミスティック・クリエーション》を唱えてマナの《ミスティック・クリエーション》《再誕の聖地》《DECKY THE HALL》を手札に戻し、《最高学府 インテリエイル》で踏み倒しスタンバイしますわ（このとき《ミスティック・クリエーション》が墓地に行きますわ）
②《DECKY THE HALL》で何らかのパックを開封し、プレイするかコレクションに加えますわ（このとき《DECKY THE HALL》が墓地に行きますわ）
③《再誕の聖地》で《ミスティック・クリエーション》と《DECKY THE HALL》（と、②で唱えた呪文）をマナに送りますわ
④最後に《ミスティック・クリエーション》を唱えると①に戻ってループが証明できますわ
この過程で、わたくしはあらゆるパックを開封してあらゆるカードをプレイできますわ。バトルゾーン以外にあると敗北する類のカードもコレクションに送れば安心ですわね。無限にパックを剥けば（プロモ限定やデッキ限定とかでないかぎり）どんなカードもいつかは出てくるので、どんな非現実的なコンボも決め放題ですわ！まさに全知全能！
地味にコンボパーツの《ミスティック・クリエーション》と《再誕の聖地》がマナ回収とマナ加速も兼ねてるのがいい感じですわね。序盤に使ったマナ加速カードをさらにマナに送ったり、マナ落ちしたキーパーツを拾ってきたりと何かと噛み合っていますわ。
DM-35を剥きまくって起源神を作ったりDM-27を剥きまくってクソ長い五元神を作るのもいいですが、わたくしはやっぱり謎のブラック・ボックス・パックを剥きまくって《緊急プレミアム殿堂》で相手の応手を全て封じて殴り切りたいですわ！打点はスピードアタッカー持ちが腐るほどいるから大丈夫ですわ。
公式カード検索で「S・トリガー」で検索したら1967件出てきましたわ。ざっくり半分くらいが別のテキストの部分一致と考えて1000枚くらい宣言したらだいたい止まりますわね。
で、そのためには《緊急プレミアム殿堂》を1000枚剥く必要がありますわ。かなり少なく見積もって《緊急プレミアム殿堂》が1カートンに1枚封入されてると考えて、1000カートンといったところですわね。
謎のブラックボックスは一箱の値段が5500円で、1カートンが18個で99000円。ほぼ10万円ですわ。 これに1000を掛けると……一億円と出ましたわ！なんてリーズナブルなんでしょう！
というわけで、このデッキを握ってお嬢様が集まる上流階級のダンスパーティに紙をしばきに行きますわ！セバスチャン、謎のブラックボックス1000カートンを今すぐリムジンに積み込むんですの！
（数時間後）
……つ、ついに決まりましたわ！そんなわけで、ループに入りますわね。謎のブラック・ボックス・パックを剥いて、とりあえずループに支障のないカードは全部使いますわ。これを《緊急プレミアム殿堂》が1000回出るまで続けていきますので、そこでわたくしが全知全能になる様を眺めていればよろしくてよ！
……え、どうしてプレイマットを畳むんですの？まだ一箱しか剥いてないのに！まだ一枚も《緊急プレミアム殿堂》を唱えてないのに！投了はしないって約束したじゃありませんの！……なんですって？常在型能力？盤面を見ろ？
……みなさまと戦えてよかったですわ～～～～～っ！！！！！
おわりに～お別れですの～
というわけで、資産ゲーでしたわ。当初の「仮に無限に資産的コストを払えるならばどんなことができるのか？」という思考実験から、まさか全知全能に至れるとは思いもしませんでしたの。
実際、クソデッキを作る際とかにも「コストが高い」「条件が厳しい」っていう壁があった時はそれをいったん無視して「その壁の先で何ができるか？」って言う所から考えたほうがかえってすんなり行くことがありますわ。資産以外のあらゆるコストは踏み倒したり軽減したりできますから、そこを余り枠で克服する感じでやっていけばいい感じに楽しいデッキができますの。え、起源神？あれは余り枠が存在しないから無理ですわ。
というわけで、ここらでお開きにさせていただきますわ。それでは、次のお嬢様の集まりで。
