目次
はじめに
デュエマには多くのルールが存在します。
そのため中には知らなくてもあまり問題無いようなルールもありますが、どんなルールであれ、存在する以上知っておくに越したことはないでしょう。
今回はカードの「空撃ち」に関するルールについて説明していきます。
空撃ちとは
空撃ちとは、使っても意味のない状況で呪文やクリーチャーの能力などを使うことを言います。 相手のバトルゾーンに何もいない状態で《デーモン・ハンド》や《ホーリー・スパーク》を使うことなどがこれに該当します。
もっとも、この「空撃ち」という言葉自体は正式な用語ではないためデュエル・マスターズ総合ゲームルールには当然載っていません。
ではデュエル・マスターズ総合ゲームルールでは、あるカードを使用した場合正常な効果の処理が行えないときにそのカードを使用することについてどのように記されているのでしょうか?
総合ゲームルールにおける「空撃ち」について
デュエル・マスターズ総合ゲームルールを見てみると、次のようなルールが存在することが分かります。
カードの指示の一部が実行不可能であった場合でも、できることを全て行い、実行不可能な部分 は無視します。
このルールから分かるように、効果を正常に適用できない場合でもそのカードを使用すること自体はできます。
実行不可能な部分は無視されるので、そのカードを発動するタイミングや状態が本来想定されうる正常な使用状況とどれだけ違ったとしても、使用を宣言することはできるのです。
それでは、このルールをより深く理解するために、このルールが関わる状況の具体例を用意しました。
「おいおい、要するに意味のない状況でもカードを使うことはできるってことやろ?もう理解したから具体例なんか見たってしょうがないやろ。」
と思ったそこのあなた、
本当に理解していますか?
クリーチャーがいない時に《デーモン・ハンド》を使う、というような簡単な状況以外でもこのルールが関わってくる場合はあります。
具体例1
自分の手札に《ジョリー・ザ・ジョルネード》と《バレット・ザ・シルバー》が存在するとします。
自分のバトルゾーンにはクリーチャーがいない状態で、相手のターンの終わりを迎えたとします。なお、このターン相手はクリーチャーを3体以上召喚していたものとします。
《ジョリー・ザ・ジョルネード》と《バレット・ザ・シルバー》 はどちらも相手ターンの終わりに手札で誘発する能力を持っています。同じタイミングで複数の能力が同時に誘発した場合、それらの発動を宣言し、好きな順序で効果を解決することができます。
このとき自分のバトルゾーンにクリーチャーは存在しないため、《ジョリー・ザ・ジョルネード》のマスターJトルネード の効果は明らかに実行不可能です。
しかし、この能力が誘発するタイミングは「相手のターンの終わり」であり、そのタイミングを迎えた時点で効果の使用の宣言はできます。つまり「空撃ち」の状態です。
《ジョリー・ザ・ジョルネード》と《バレット・ザ・シルバー》 の能力の使用を宣言した後、この2つの効果を好きな順で解決します。
《ジョリー・ザ・ジョルネード》 の効果を先に解決した場合は、その処理が実行不可能であるため何も起きず、その後 《バレット・ザ・シルバー》の効果を解決することになりますが、 《バレット・ザ・シルバー》の効果を先に解決した場合はそうとは限りません。
《バレット・ザ・シルバー》の効果を先に解決した場合 、まず 《バレット・ザ・シルバー》がバトルゾーンに出ます。すると今度は 《バレット・ザ・シルバー》がバトルゾーンに出た時の効果が誘発します。
このとき《バレット・ザ・シルバー》のバトルゾーンに出たときの効果と《ジョリー・ザ・ジョルネード》のマスターJトルネードの効果が同時に待機中の状態になるため、これも同様に好きな順で解決します。
《ジョリー・ザ・ジョルネード》のマスターJトルネードの効果から解決した場合は当然実行不可能なので何も起きませんが、《バレット・ザ・シルバー》のバトルゾーンに出たときの効果から解決した場合、山札の一番上のカードがジョーカーズ・クリーチャーならばバトルゾーンに出すことができます。
それがコスト2以上のジョーカーズ・クリーチャーであれば、《ジョリー・ザ・ジョルネード》のマスターJトルネードの効果は実行可能になり、適用することができます。
ちなみに、今回は相手がクリーチャーを3体以上召喚していた前提で相手のターンの終わりを迎えた時について説明しましたが、仮に相手がクリーチャーを3体以上召喚していなかったとしてもターンの終わりに《バレット・ザ・シルバー》の使用を宣言することはできます。この場合《バレット・ザ・シルバー》も空撃ちの状態になります。
具体例2
自分が《天革の騎皇士 ミラクルスター》で相手のシールドをブレイクし、このとき相手のシールドにあった《ライト・ブーメラン》を唱えたとします。
この《ライト・ブーメラン》は珍しい呪文で、呪文の効果解決中にこのカード自体がゾーン移動します。
そのため《天革の騎皇士 ミラクルスター》の効果で唱えた場合、《ライト・ブーメラン》の効果の一部である「この呪文を、自分の墓地ではなく自分のマナゾーンに置く」という処理が実行不可能になります。デュエマでは、相手のカードを自分のマナゾーンに置く行為は実行不可能とみなされるためです。 つまり、部分的に「空撃ち」の状態になります。
結果としてこの場合は、「その後、自分のマナゾーンからカードを1枚選び、自分の手札に戻す。」という処理のみを行い、その《ライト・ブーメラン》を持ち主の墓地に送るという処理になります。
ちなみにチャージャー呪文を撃った場合とは少し状況が違います。チャージャー呪文はその呪文の効果処理後にマナゾーンに送られる能力であり、《ライト・ブーメラン》は呪文の効果処理中にマナゾーンに送られるためです。
相手のチャージャー呪文を《天革の騎皇士 ミラクルスター》の効果で唱えた場合は、その能力のチャージャー以外の部分の効果を自分が解決した後に、チャージャーの能力として持ち主のマナゾーンに送られます。
おわりに
空撃ちに関するルールは、現代デュエマをプレイする人ならば感覚で理解している部分はあると思います。「カードの指示の一部が実行不可能であった場合でも、できることを全て行い、実行不可能な部分は無視する。」というルールがデュエル・マスターズ総合ゲームルールに載っているなんてことは知らなくても、ゲームを進行するうえで自然にそう処理できていたりするものです。
みなさんも墓地にクリーチャーがいないときに《超次元リバイヴ・ホール》を普通に撃つじゃないですか。
誰も「これ墓地にクリーチャーいないけど撃てるんだろうか?どういう処理になるんだろう?」なんて思わないでしょう。
このように、基本的には普通にデュエマをプレイするうえでここまで深く知っておく必要はないので安心してください。
ですが知っていて損することでもないので、もしデュエマのルールをもっと深く知りたいという人がいたら、デュエル・マスターズ総合ゲームルールを読んでみるといいかもしれません
ちなみに、ここまで「デュエマは空撃ちができるゲームだ」と説明してきましたが、現在デュエルマスターズには空撃ちができない呪文が3種類だけ存在します。
《魔流毒》、《憎悪と怒りの獄門》、《無双と竜機の伝説》、これらの呪文は自身の効果により特定状況で使用ができません。