【DM歴史探訪 転生編】16年前、虹を越えるための戦い【懐かしの環境】

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【DM歴史探訪 転生編】16年前、虹を越えるための戦い【懐かしの環境】

【DM歴史探訪シリーズ一覧】
01. 「基本編」北白河
02. 「闘魂編」神結
03. 「聖拳編」垢BANチキン
04. 「転生編」ばにら(スガワラ)
05. 「不死鳥編」ばにら(スガワラ)
06. 「極神編」ばにら(スガワラ)
07. 「戦国編」◆ドラえもん
08. 「神化編」神結
09. 「覚醒編」神結
10. 「エピソード1」ばにら(スガワラ)
11. 「エピソード2」ばにら(スガワラ)
12. 「エピソード3」神結
13. 「ドラゴン・サーガ」ばにら(スガワラ)
14. 「革命」神結
15. 「革命ファイナル」神結
16. 「新章DM」神結
17. 「双極篇」神結
18. 「超天篇」◆ドラえもん
19. 「十王篇」垢BANチキン

ガチまとめライターが持ち回りでデュエル・マスターズの歴史を紐解く「DM歴史探訪」シリーズ。

今回は神結さんからバトンを受け、『転生編』をご案内いたします。これにて勝舞編もコンプリートですね。

発売から4年。前年の『聖拳編』の好調を受け、デュエル・マスターズは新シリーズを迎えます。

しかし、前年の躍進は言い換えれば、前年のカードが強かったということ。

転生編の新カードたちは、レインボーのカードパワーに立ち向かえるのでしょうか。

やや雲行きの怪しくなってきた4年目のデュエル・マスターズ。果たして、その進む道は?

お相手はわたくし、ばにらがお送りいたします。

目次

転生編概要

転生編と書いて「ジェネレート・ギア」。

勝舞編特有の「どのへんがそう読むの…?」みたいな読みが与えられてますが、このタイトルにはシリーズの2大テーマが秘められています。

転生=すなわち人気クリーチャーのリメイク。

ジェネレート ギア=すなわちクロスギアの登場。

特にクロスギアは、3年間「カードタイプは2つだけ!」を貫いてきたデュエマが初めて追加したカードタイプでした。

……ただ、今振り返るならば、これら2つの目玉が成功したかはちょっと怪しいところ。

新メカニズムとしてはむしろ、『G・ゼロ』『S・バック』の初登場の方が大きなトピックかもしれません。

また、強力なカードが多かった聖拳編に比べるとマイルドに調整されたカードが目立ちました。環境を変えたカードは少なかったといえるでしょう。

それでも、「これってここで初登場だったの!?」という名カード・良カードはいくつも存在します。振り返ると意外な発見があるかもしれませんね。

転生編で登場したカードたち

というわけで、本項では収録セットごとに代表的なカードやギミックを辿ってまいります。

DM-14 転生編

出典:デュエル・マスターズ公式

新シリーズ1弾は、転生クリーチャーとクロスギアが目玉。

前者は《悪魔神ドルバロム》《クリスタル・ツヴァイランサー》が代表的でしょう。

一方のクロスギア側における目玉は、《ファイナル・ドラグアーマー》《パワード・スタリオン》あたり。

……正直なところ、強いかといわれるとちょっと微妙なラインですね。

どちらかといえば、(当時基準で)実用的なクロスギアは低レアリティに見られました。

新キーワードとしては『メタモーフ』が登場。中でも《セブンス・タワー》は後年になって再評価されたカードですね。

ちょっと意外?なところだと、《進化設計図》はこのセットが初出です。王来篇のスタートデッキにも収録されたのは記憶に新しいですね。

新シリーズ一発目ということで、新たな汎用カードも各色に見られました。

特に、長きに渡って火文明の受けを担う「あのカード」がデビューを迎えます。

《地獄スクラッパー》

【 呪文 】
文明 火 / パワー- / コスト7

S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
相手のクリーチャーを、パワーの合計が5000以下になるように好きな数選び、破壊する。

たぶんこれも《地獄万力》のリメイク、「転生」の一環だったと思うんですよね。

いつの間にやら本家《地獄万力》よりも使われるようになって、後の世ではツインパクトやら名称カテゴリやら貰うのだから世の中分からないものです。

赤いカードといえば……

《タイラーのライター》

【 クリーチャー 】
種族 ゼノパーツ / 文明 火 / パワー2000+ / コスト3

自分のマナゾーンのカードがすべて火のカードであれば、このクリーチャーのパワーは+1000され、「スピードアタッカー」を得る。(「スピードアタッカー」を得たクリーチャーは召喚酔いしない)

本セットで特徴的な、マナが単色だと強化されるサイクルから1枚。

前述の《地獄スクラッパー》、同期の《放浪兵エルジージョ》《螺神兵ボロック》らとともに、【赤単】を大きく強化しました。

この単色強化サイクル、他の文明も《ディープ・ジャグラー》《暗黒秘宝ザマル》ら、優秀なカードが連なっています。光文明だけちょっと見劣りしちゃうんですが……

環境に食い込むほどではなかったものの、《クラウド・メイフライ》は本セットで登場した《フェアリー・ギフト》とも相性がよく、一定のファンを獲得していた印象です。

この単色サポート、通年で続くと思ったんですが、そんなことありませんでしたね……

《停滞の影タイム・トリッパー》

【 クリーチャー 】
種族 ゴースト / 文明 闇 / パワー1000 / コスト3

相手のカードは、タップされた状態でマナゾーンに置かれる。

中速~低速デッキで活躍を見せるこのカードも、転生編が初出です。

近年でも見劣りしない優秀なスペックながら、当時は「弱くはないが」程度の評価だったと記憶しています。《炎槍と水剣の裁》の採用率が非常に高かったため、システムクリーチャーそのものが頼りなかったとも……?

この《停滞の影タイム・トリッパー》。個人的には、同期である《巡霊者メスタポ》や呪文妨害サイクル(《結界するブロークン・ホーン》とか)ともども、変則的なメタカードとしてデザインされたのかも?と推測しています。

過剰なインフレをすることなく、前年までの流行デッキに対抗しようという意図があったのではないでしょうか。

変則的なメタといえば、パワーをマイナスする効果もこの時が初登場です。こちらは速いデッキへの抑止を意識したのかもしれませんね。

あとDM-14といえば、役に立たない豆知識をひとつ。

このセットの初版は印刷工場が異なるため、カードの紙質が違いました。

マットでざらついた感じで、開封したときのインクの匂いも異なります。他に同じ質感なのは基本編1弾だけ……のはず。

DM-15 神滅奥義継承

ややこしい勝舞編のパック名の中でも、『神滅奥義継承(シークレット・オブ・ヒドゥン・ギア)』凄いですね。まるっきりパックの内容が伝わらない。

そういえば、ここからパッケージの勝舞くんが衣替えしていますね。服が紫から赤に変わりました。

キーワードとしては「アクセル」と「S・トリガーX」が初登場。前者は手間の割にボーナスが微妙だったこと・後者はそもそもメインギミックにできるようなカード出なかったことから、環境への影響は小さかった印象です。

その他のメカニズムとして、前セットからメタモーフが続投。《バリアント・スパーク》は手打ちしやすい《ホーリー・スパーク》の相互互換としてよく使われるようになります。

名前のないギミックとして「墓地に同名カードがあれば強化」サイクルも登場しました。《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》《バブル・ランプ》が代表格ですね。

また、コロコロ記事等では「過去のクリーチャーのクロスギア化」がフィーチャーされました。「転生」と「クロスギア」、シリーズのタイトル2つが融合した形です。

……まぁ、《ペトリアル・フレーム》《バジュラズ・ソウル》しか存在しないんですが。もうちょっとこの路線でカード増えると思ったんですけどね。

《バジュラズ・ソウル》

(殿堂カード) 【 クロスギア 】
文明 火 / コスト5

クロスギア
これをクロスしたクリーチャーのパワーは+2000され、シールドをさらにもう1枚ブレイクする。
これをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、相手のマナゾーンからカードを2枚まで選び、持ち主の墓地に置く。

というわけで《超竜バジュラ》の力を持つクロスギア。

色の合う《無双竜機ボルバルザーク》系デッキとハイブリッドとなる形で、【バジュラズ】系のデッキが環境に出現しました。

クロス先とするため《エナジー・ライト》よりも《アクア・ハルカス》を優先的に採用する・殴り返しや火力に耐性のあるパワーラインとして《無頼勇騎ゴンタ》が活躍する……など、《バジュラズ・ソウル》を前提とした構築が研究されていったのは興味深いところです。

こうして振り返ると、たぶん転生編で一番環境を動かしたカードですね《バジュラズ・ソウル》

転生だしクロスギアなので、タイトルで掲げた目標は達成されているのかもしれません。

《聖霊王アルファディオス》

【 進化クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド / 文明 光 / パワー15500 / コスト10

進化-自分のエンジェル・コマンド1体の上に置く。
誰も、光以外のクリーチャーを召喚したり、光以外の呪文を唱えることはできない。
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)

《悪魔神ドルバロム》と対になる形で、《聖霊王アルカディアス》の転生版が登場。王来篇ではくっつけられちゃいましたね。

他の転生クリーチャーにも言えるのですが、高すぎるコスト・オーバーキル気味・かつ刺さらない相手には刺さらない……ということで、ロマンカードとしての立ち位置にとどまりました。

ただ筆者としては、当時は「スーパーレアはロマンカード」というデザインを意図していたのでは?とも推測しています。4枚必須カードがスーパーレアなんてゲームを遊ぶのはしんどいですしね。

《パクリオ》

【 クリーチャー 】
種族 サイバーロード / 文明 水 / パワー1000 / コスト4

このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見る。その中から1枚選び、裏向きにして相手のシールドに加えてもよい。

シールドへのピーピングハンデスという、どう考えてもヤバい効果を持つクリーチャー。これ、《解体人形ジェニー》より先に登場してるんですよ……

ほぼ回収不能なハンデスということで、シールドを殴らないデッキや焼却するデッキで早くからお呼ばれしていました。

あとシールド関連といえば、かの《アクア・パトロール》もここでデビューしています。

このカードが巻き込まれた?コンボについては、歴史探訪・極神編にて。

DM-16 魔導黙示録

この年の年末商戦向けパックとして発売されたDM-16。

年末発売のパックはクリスマス・お年玉需要もあり、キャッチーなカードが収録される傾向があります。

このセットも例にもれず、スーパーレア5種のうち3種が進化ドラゴン(そもそも光と水のドラゴンは当時存在しない)となっていました。

……ただ、その割には進化元となるドラゴンは2種類しか収録されておらず、ちぐはぐだった印象です。

似たコンセプトであるDM-08『超神龍の復活』やDM-22『超神龍雷撃』は各色のコモンにドラゴンがいたんですけどね……

そんな(特に闇・自然の)進化ドラゴン含め、スーパーレア・ベリーレアのスペックが今一つピリッとしないものが多く、人気の伸び悩んだパックでした。

そんな伸び悩みを抱えつつ、年末商品ということもあって生産数は多かったようです。かなり後の時代になっても、DM-16だけは在庫がある!というお店が(時には問屋在庫すら)見られました。

一方で、光らないカードはちょこちょこと良カードが存在。たとえば《マーシャル・クイーン》はこのセットが初登場でした。

キーワードとしてG・ゼロも新登場、現代まで様々な形で使われていますね。

そして光文明を代表する、あの呪文も初登場します。

《ヘブンズ・ゲート》

【 呪文 】
文明 光 / パワー- / コスト6

S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
進化クリーチャーではない光の「ブロッカー」を持つクリーチャーを2体まで、自分の手札からバトルゾーンに出す。

みんな大好き《天門》。実はDM-16が初登場なんです。

筆者はちょうどこの頃からカードショップでのお仕事を始めたのですが、《天海の精霊シリウス》のシングル価格がハネ上がりました(笑)

もうちょと現実的なところで、《悪魔聖霊バルホルス》《光翼の精霊サイフォス》あたりを投げるのが当時としては実用レベルの使い方でしたね。

《ヘブンズ・ゲート》デッキで優先したいドローソースは《トリプル・ブレイン》《ブレイン・チャージャー》か?」という話題で当時大いに盛り上がったのも懐かしい思い出です。

読者の皆さんならどう答えますか?

《ノーブル・エンフォーサー》

【 クロスギア 】
文明 水 / パワー- / コスト4

クロスギア:このカードをバトルゾーンに置く。クリーチャーにクロスするには、このカードのコストをもう一度支払う。そのクリーチャーがバトルゾーンを離れても、このカードはバトルゾーンに残る。
これをクロスしたクリーチャーは、パワー2000以下のクリーチャーに攻撃またはブロックされない。
このカードがどのクリーチャーにもクロスされていない時、パワー2000以下のクリーチャーは攻撃もブロックもできない。

クロスせず機能するクロスギアも、ここで初登場しました。

クリーチャーを用意&コストを再度支払う、という手間がなくなったことで、ようやく取り回しの良いクロスギアが出てくれた……とも言えるかもしれません。

中でも《ノーブル・エンフォーサー》

当時まだ殿堂入りしていなかった《予言者マリエル》と並べる、通称「マリエルエンフォーサー」の布陣は、強固なロック手段の一つでした。

「パワー2500はロックされないから強い」なんて、半ば冗談交じりに言われたりもしましたね。

《解体人形ジェニー》

【 クリーチャー 】
種族 デスパペット / 文明 闇 / パワー1000 / コスト4

このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見てその中から1枚選び、捨てさせる。

闇文明のアイドル・ジェニーちゃんもここで初登場。《スケルトン・バイス》と競合するマナ域ながら、採用率の高かった《緑神龍アーク・デラセルナ》を回避できるのはポイントでした。

また、クリーチャーが残るので打点・特に《バジュラズ・ソウル》をクロスできるのも嬉しいところですね。

それにしても、初出時のイラストはそこそこ不気味なんですよね。ここからアイドルクリーチャーに転身(?)したのだから驚きです。

確かに、かなーり昔からファンアートが描かれていたかも……?

DMC-27 コロコロ・ドリーム・パック

特殊セットなのですが、性質上ここで紹介。

DM-17発売の1か月前に、特殊セット『コロコロ・ドリーム・パック』が発売となります。

このコロコロ・ドリーム・パック。5枚入りで税抜150円・レアカードの封入率や総枚数も通常弾と同じ仕様……という、ちょっと変わった特殊セットでした。

初期シリーズの実用カードを中心に再録されており、カード資産が行き渡るよう配慮されたセットだったことが伺えます。

《雷鳴の守護者ミスト・リエス》《エナジー・ライト》《コッコ・ルピア》などは流通量が一気に増え、デュエマがぐっと遊びやすくなりました。

……問題児さえ生み出さなければ。

《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》

【 クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 火 / パワー11000+ / コスト10

スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
パワーアタッカー+3000(攻撃中、このクリーチャーのパワーは+3000される)
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに、持ち主の墓地に置く。

デュエマ定番の「特殊セットで出てくる身も蓋もないパワーカード」、その先駆けとも言える《サファイア》が産み落とされます。ほんとこのパターン多くありませんかデュエマ。

当時のカードパワー基準で、シールド焼却×スピードアタッカー×T・ブレイカーはあまりに強烈でした。

さらに、

《ストリーミング・チューター》

【 呪文 】
文明 水 / パワー- / コスト5

自分の山札の上から5枚を表向きにする。その中の火と自然のカードをすべて自分の手札に加え、それ以外のカードを自分の墓地に置く。

《サファイア》を引き込むドローソースまで新登場

《サイバー・ブレイン》《アクアン》も殿堂入りして、ドロー効果は控えめな調整が続いていた中で、このスペックは衝撃でした。

おあつらえ向きに《大勇者「ふたつ牙」》も同時に再録され、環境デッキ【牙サファ】が完成します。

DM-17 終末魔導大戦

出典:デュエル・マスターズ公式

DM-17といえば《ダンディ・ナスオ》

《ダンディ・ナスオ》

(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ワイルド・ベジーズ / 文明 自然 / パワー1000 / コスト2

このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中から1枚選んで自分のマナゾーンに置き、自分のマナゾーンから1枚選んで墓地に置く。その後、山札をシャッフルする。

おそらくはマナゾーンの色調整を想定してデザインされた効果だと思うのですが、もっぱら墓地を仕込む役割を与えられ、殿堂入りにまで至ったのは因果なものです。

……というわけで、実戦レベルのカードに乏しかったことから『終末ナスオ大戦』と揶揄されることすらあった本セット。

出典:デュエル・マスターズ公式

一応の目玉は進化クロスギアでしたが、環境で目立った活躍は見せず。そんなんばっかりですね……

(そして再録されてないからすごい値段になってる)

キーワードとしてはS・バックが新登場しました。《天真妖精オチャッピィ》《デュアルショック・ドラゴン》あたりは長く使われることになる良カードですね。

(余談:《オチャッピィ》あたりから、美少女キャラをちょっとずつ解禁する試みがなされていたそうです。《ジェニー》は…?)

当時は《パシフィック・チャンピオン》を処理できることから《フレイムランス・トラップ》も注目されました。

後世に各種《コダマンマ》や鬼札王国の面々との相性が見出だされたりと、S・バックは面白い歴史をたどったメカニズムですね。

他には、特に進化推しのセットではないものの、何故か《進化の化身》が登場しています。

スター進化に合わせて王来篇でリメイクされると思ってたんですが、来ませんでしたね……

ちなみに《ダンディ・ナスオ》の左上奥に《進化の化身》の姿が見え、《大菜王ビッグ・ナスディーン》も含めた3枚が繋がっていることが伺えます。

DM-17は各色に3枚ずつ、こんな関係性のカードが収録されています。探してみると面白いですよ。

DM-18 ベスト・チャレンジャー

厳密には転生編ではない……というか、通常弾のナンバリングを持ちながら、どのブロックにも該当しないセットです。

歴史探訪・不死鳥編で取り扱っていなかったため、ここで一緒にご紹介いたします。他に取り上げる機会もなさそうですしね……

《デーモン・ハンド》《青銅の鎧》《ゴースト・タッチ》といった、基本的な効果のカードがまとめて再録されました。

当時デュエマ公式は転生編以降限定構築『アフター・ジェネレート』というフォーマットを打ち出していました。

おそらく、この『ベスト・チャレンジャー』と『コロコロ・ドリーム・パック』で汎用カードを再録し、いわゆるスタン落ちを計画していたのでしょう。

……そうはならなかったことは、皆さんもご存じの通りなのですが。

この『ベスト・チャレンジャー』、《アクア・サーファー》《クリスタル・ランサー》《ロスト・ソウル》といった初出時はアンコモンだった優良カードがレアに引き上げられ、当時ちょっと物議を醸しました。

そのくせしょっぱいレア……《粛清の伝道師ラー》なんかはレアリティ変更もなく、レアのままでしたからね。あんまりだ……

転生編環境のデッキたち

さて、ここからは当時のデッキのご紹介。

まず大前提として、DM-14発売に合わせて、4種類の殿堂入りが施行されました。

  • 《無双竜機ボルバルザーク》
  • 《スケルトン・バイス》
  • 《ロスト・チャージャー》
  • 《ヘル・スラッシュ》

……これら4種類が2022年現在もプレミアム殿堂から出そうにない時点で、読者の皆様もお察しかもしれません。1枚制限となっても、これらのカードを用いたデッキは環境に君臨していました。

というわけで、この年も暴れまくっていた《無双竜機ボルバルザーク》

そんな時代に活躍した、代表的なデッキをいくつか眺めていきましょう。

【ボルバルブラック】(バジュラズ型)


こちらは夏の全国大会で優勝した方のリスト。各カードの採用枚数に、専用機めいた絶妙なチョイスが見られますね。

《ボルバル》が1枚制限となったことから、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》とのハイブリッドになっています。

高度なメタ読みを感じさせる構築ですが、特に渋いと感じたのが1枚採用の《ディメンジョン・チョーカー》

ハンデスで落とされたキーカードを拾う役割を持たせつつ、何枚も引きたくない。《鳴動するギガ・ホーン》《母なる大地》があるからこそのピン投ですね。

【赤単】


掲載したのはオーソドックスなタイプ。《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》搭載型など、いくつかのバリエーションがありました。

当時の赤単、光るカードが1枚も入らないのが安い!速い!強い!という感じですね。

歴史探訪で個人的な話を書くのもアレなのですが、筆者は聖拳編末期の頃、デュエルロードで盗難に遭いまして……

カード資産が半壊した中で、この赤単を安く組めたことが、デュエマを続ける力をくれました。思い入れのあるデッキです。

【青単パシフィック】


当時の青単といえば、聖拳編のラストで登場した《パシフィック・チャンピオン》を中心とした形でした。

今回は当時の記憶を辿りつつ、標準的なリストをご紹介。

《パシフィック・チャンピオン》に加え《クリスタル・ブレイダー》も搭載。1マナブロッカー→2マナ進化・の流れを2軸にするのがメジャーな構築でした。

ブロッカーが無理なく組み込まれるため、他の速攻系デッキに耐性があるのはメリットですね。

息切れ防止に搭載された《フォーチュン・ボール》がいい仕事をしてくれます。

【牙サファ】


DM-17の発売とほぼ同時期に、《無双竜機ボルバルザーク》がプレミアム殿堂入り。

入れ替わるように台頭した、赤緑系のデッキがこの【牙サファ】です。

掲載したリストは転生編以降限定ルール「アフター・ジェネレート」レギュレーションでのデッキ。さっそく《パクリオ》が悪さをしていますね……

転生編以降のカードプールなので《母なる大地》が採用されていませんが、もちろん通常構築の【牙サファ】では4枚入っていました。

そのほかにもマナ加速・ブロッカー除去に加えて《大勇者「ふたつ牙」》の進化元にもなる《無頼勇騎ウインドアックス》あたりはよく見かけた印象です。

おわりに

歴史探訪・転生編、いかがでしたか?

実のところ、個人的には転生編環境といえば《ボルバル》系と《ヘル・スラッシュ》型除去コンのイメージが強くありました。

転生編のカードが主役のデッキってあんまりないし、振り返っても面白みに欠けるでは……?」と、執筆に不安すら感じていたことを白状します。

けれど、こうして振り返ってみるとデコボコしながらも面白いギミック・印象的なカードは数多く登場していましたね。

カードパワーではレインボーに及ばなかったかもしれない。けれど、長く愛されるカードやギミックを生み出した1年だったと言えるのではないでしょうか。

久々に当時のカードを引っ張り出したいな、などと思いつつ、今回は筆をおかせていただきます。お読みいただきありがとうございました。

歴史探訪もあと2つ!次回もお楽しみに!

デュエル・マスターズ歴史探訪シリーズ一覧

【DM歴史探訪シリーズ一覧】
01. 「基本編」北白河
02. 「闘魂編」神結
03. 「聖拳編」垢BANチキン
04. 「転生編」ばにら(スガワラ)
05. 「不死鳥編」ばにら(スガワラ)
06. 「極神編」ばにら(スガワラ)
07. 「戦国編」◆ドラえもん
08. 「神化編」神結
09. 「覚醒編」神結
10. 「エピソード1」ばにら(スガワラ)
11. 「エピソード2」ばにら(スガワラ)
12. 「エピソード3」神結
13. 「ドラゴン・サーガ」ばにら(スガワラ)
14. 「革命」神結
15. 「革命ファイナル」神結
16. 「新章DM」神結
17. 「双極篇」神結
18. 「超天篇」◆ドラえもん
19. 「十王篇」垢BANチキン


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