【2021年6月環境】アドバンス最強デッキランキング【過去環境記事】

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【2021年6月環境】アドバンス最強デッキランキング【過去環境記事】

はじめに

 CS再開ッッッッッッ!!!

 沖縄県を除く全都道府県の緊急事態宣言の解除が発令され、6月21日から全国的にCSが再開されることとなりました!

 ……と同時に、7月からは殿堂レギュレーションが更新され、来たる今週末には新弾のリリースを目前に控えています。

 そんなわけで、今回の記事は「今使うことをオススメするデッキ」の紹介というよりも、2021年6月の環境がどのようなものだったかの経緯を記録する意味合いが大きくなっています。

 殿堂や新カードによる環境の変化も合わせて、次に強そうなデッキを探す手がかりにしてみてください!

目次

「最強」の定義

 本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。

 Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。

 Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。

 Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。

Tier1

【5cコントロール】Tier1


  名実ともに、王来篇第1弾を象徴するデッキタイプ【5cコントロール】。

 この歴代最強格のコントロールデッキに対する包囲網は、環境初期と較べればはるかに分厚くなっていますが、それでもなおTier1の立ち位置は譲りませんでした。

 3→5のマナカーブに重点を置いた基盤で、5マナ域での《ドンドン火噴くナウ》や《ドラゴンズ・サイン》から《龍風混成 ザーディクリカ》へとアクセス。

アドバンテージを取りながら盤面を荒らし、一気に戦況を制圧します。

 《最終龍覇 グレンモルト》や《聖魔連結王 ドルファディロム》などの除去耐性を持ちつつ殴りかかれるスピードアタッカーを擁しており、一般的な「コントロールデッキ」とは一線を画す決定力・カウンター性能が持ち味。

 先月から増加した【赤白ドギラゴン閃】を意識して《ドラゴンズ・サイン》が増量されたリストが多かったのは特徴的ですが、このような細部を除けばほとんど変化が見られない優れた基盤で、約2ヶ月の間環境を駆け抜けました。

 しかしながら、環境終期に登場した【4cデッドダムド】と【ジョー星ゼロルピア】は、どちらも盤面依存度が薄く、受けの厚さを活かしづらい勝ち筋を持っています。

まさに【5cコントロール】を倒すために現れた存在と言えるでしょう。

 攻略の糸口は徐々に掴まれているため、このデッキが王座から陥落する日もそう遠くないかもしれません。

 殿堂入りの影響もほとんどありませんが、【オカルトアンダケイン】が消えたことでほぼ確定枠だった《とこしえの超人》の採用に一考の余地ができました。

 空いた枠には他のメタカードを入れて、といいたいところではありますが、多色過多のデッキである都合上、現状の完成されたマナべースを崩すことのリスクも軽視はできません。

 新環境で登場する構築を見る際には、マナ基盤にも注目していきたいですね。

【5cコントロール】テーマ解説


【4cデッドダムド】Tier1


 6月初頭に突如として現れ、環境を席巻した超新星。

 いわゆる【アナカラーデッドダムド】に火文明を足した構築……のように見えて実態は異なり、《絶望と反魂と滅殺の決断》のカードパワーを強くフィーチャーした構成。

 《斬罪 シ蔑ザンド》でバトルゾーンを、《乱罪 ダイパ殺デー》で手札を攻めつつ、これらのオレガ・オーラを《絶望と反魂と滅殺の決断》で使い回し。

 オーラに付随するGRクリーチャーのアドバンテージ能力は、「おまけ」と呼ぶにはあまりにも強力です。

 このようにしてリソースゲームを掌握したあとはバトルゾーンに並んだ《天災 デドダム》から《S級宇宙 アダムスキー》へと侵略し、相手の山札を燃やし尽くして勝利します。

 【アナカラーデッドダムド】にとって永遠の課題であった「序盤の受けが弱い」という弱点は《ドンドン火噴くナウ》と《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》によって大幅に緩和。

 《とこしえの超人》、《フェアリー・Re:ライフ》などのG・ストライク軍団と合わせて合計14〜15枚の受け札が採用されるため、ビートダウン相手にもしっかりと1ターンを凌ぎ、返しの《SSS級天災 デッドダムド》で盤面を刈り取れるように構成されています。

 本来は苦手とする【青魔導具】についても、《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》で遅延しつつ、大量ドローで薄くなった山札を《S級宇宙 アダムスキー》が攻め立てることで十分対抗できるように。

 また、環境トップである【5cコントロール】は性質上シールドをブレイクせずに勝利するデッキに対して防御手段を持っていないため、《S級宇宙 アダムスキー》によるフィニッシュが非常に有効。

 ハンデス連打からの《魔天降臨》も回避不能の一撃必殺として控えており、【5cコントロール】へのカウンターデッキとして一躍注目を集めました。

 ネット大会でも連日入賞しており、ポテンシャルは最高峰。リアルのCSでも活躍の場を広げており、文句なくTier1に分類できるデッキです。

 環境読みデッキの毛色が強い【4cデッドダムド】ですが、《虹速 ザ・ヴェルデ》《SSS級天災 デッドダムド》というEXライフ・スター進化のどちらにも強い「王来篇キラー」パッケージをナチュラルに搭載していることもあり、今後の環境でも十分に活躍してくれそうです。


【赤白ドギラゴン閃】Tier1


 ビートダウンの雄、アドバンスの地にて超次元のパワーを得たり。

 オリジナルフォーマットでは《閃光の守護者ホーリー》を採用しがちな枠に《超次元サプライズ・ホール》を採用するのが現環境のスタンダードです。

 トリガーから登場した時は各種ブロッカーで受け札に。

 手に来た時は《時空の戦猫シンカイヤヌス》で後続をSA化したり、《その先の未来へ、カミヤ・ミキ・ユア・ナルハ》でボードを取ったり、《時空の英雄アンタッチャブル》で「選ばれない」打点を増やしたり。

 《音奏 プーンギ》《超次元サプライズ・ホール》から《イオの伝道師ガガ・パックン》で呪文を強く拘束するのも対面次第では強力です。

 環境終期では【5cコントロール】もこのデッキの存在を意識して受け札を増量、徐々に結果を残しづらい環境にはなっていきました。

とはいえ、「トリガーが埋まっていなければ即死」という理不尽さは不可避のもの。

 殿堂による直接の影響はありませんが、《とこしえの超人》の役割対象である【オカルトアンダケイン】が殿堂入りしたことで、このデッキを意識したメタカードが代わりに積まれるようになる公算は高めです。

 ですが、3ターンkillの再現性・失敗した際のリカバー力の両面で優れる強さは相変わらずですので、引き続き最速・最強のビートダウンデッキとして君臨することは約束されているでしょう。


Tier2

【ジョー星ゼロルピア】Tier2


 ここに来て登場した、「コンボデッキ」の双璧候補!

 「【5cコントロール】の流行する環境ではコンボデッキが強い」というのはこの連載でも何度か触れてきたことですが、この【ジョー星ゼロルピア】も例に漏れず【5cコントロール】に対して有力。

 オリジナルでは《無量大龍 トゥリナーツァッチ》でフィニッシュする構築が主流ですが、アドバンスではGRのチカラでループフィニッシュが可能。

 《希望のジョー星》+《ゼロ・ルピア》下で《ヘームル・エンジオン》をお互いに回し続けて無限GRができるのは有名なループ。

 この構築も同じコンボを採用しており、詳細な手順は省きますが《ジョルジュ・バタイユ》《学校男》で盤面の《罪無 ジョイダム垓》やGRクリーチャーを墓地に落として使い回し《ツタンメカーネン》をループ。

自分の山札は毎サイクル《悪臭怪人ゴキーン》で回復し続けられるので、相手のみ一方的にライブラリアウトさせることができます。

 無限GRの過程で《バルバルバルチュー》による盾回収・《シャギーⅡ》によるマナ回収・《オレちんレンジ》によるボトム固定が発生するため、オリジナル以上にコンボパーツへアクセスしやすくなっているのが最大の強み。

 GR活用コンボということで《とこしえの超人》が苦しい点は玉に瑕ですが、フィニッシュや盾マナ回収といったコンボデッキに必要なパーツをGRで賄えるのがアドバンスのいいところ。

 浮いたメインデッキの枠をメタクリ除去に回せるので、阻害されないルーターを連打してデッキを掘り進めれば、ある程度ならメタを乗り越えることもできます。

 サンプルリストでは、除去と盾回収を兼ねられる《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》を採用。

 小技として、《悪臭怪人ゴキーン》はコンボ中の山札回復はもちろん、道中の墓地回収手段としても使えます。

 相手の《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》に《希望のジョー星》を壊されても、即座にリカバリーできるのは覚えておきたいですね。

 筆者の私見では、新殿堂後の最有力候補デッキ。

 特に《希望のジョー星》が有効なわけでもなく、コンボデッキとしても同速ないしややこちらの方が遅かった【オカルトアンダケイン】が環境から姿を消し、比較的勝ち目の多い相手だけが環境上位に残ります。

 特に先攻3ターン目に《希望のジョー星》を張れた場合の「どうしようもなさ」は環境でも抜群。

 これからの活躍に注目したい最新デッキです。


【青魔導具】Tier2


 コンボデッキの双璧を為す「もう片割れ」が【青魔導具】。

 こちらは前環境から引き続きの活躍ですが、【4cデッドダムド】の《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》や、同じくコンボデッキである【ジョー星ゼロルピア】の《希望のジョー星》などが多く見られる環境になりつつあるため、やや下火気味です。

 構築にも手が加わる部分がほとんどなく、強み・弱みはそのままに対抗馬が増えているため向かい風です。

 しかしながら、《卍 新世壊 卍》にアクセスできた際のフィニッシュ力と安定感は抜群。

 受けの強度と再現性の高さからTier2にランクインです。

【青魔導具】テーマ解説


Tier3

【オカルトアンダケイン】Tier3


 さらば《不敵怪人アンダケイン》、君の雄姿を忘れない。

 高いデッキパワーと見た目にも派手なデッキの回り方から、美名も悪名も大いに広まっている【オカルトアンダケイン】ですが、現在の競技環境での立ち位置は「かなり悪い」というのが正直なところです。

 このデッキが環境を定義していること自体は事実。しかしながら、逆を言えば「環境上位のデッキは皆ことごとく【オカルトアンダケイン】を超える手段を持っている」ということになります。

 「《とこしえの超人》+ボードクリア+ハンデス」や「《とこしえの超人》+墓地メタ」、あるいは「《奇石 ミクセル》で遅延しながらの高速ビートダウン」。

 特に、《とこしえの超人》の存在は自然文明の入るデッキ全てに搭載されており、墓地コンボ特化のこのデッキには息苦しい環境です。

 プレイヤーの腕次第で十分に乗り越えて勝利できる範囲ではありますが、弱点となるカードが環境上に非常に多く、母数・入賞数ともに大きく数を減らしているTier3へ分類いたしました。

 最強のアンフェアデッキとして環境を定義してきた【オカルトアンダケイン】ですが、今回の殿堂入りによって、環境デッキ内唯一と言えるほぼ完全壊滅の憂き目に遭いました。

 殿堂施行は7月1日ということで、6月26日、27日の週末が使い納めとなりそうです。ぜひとも有終の美を飾ってほしいですね。


【オカルトアンダケイン】テーマ解説

【ラッカ鬼羅Star】Tier3


 メタビート代表格として地道に活躍し続けているデッキタイプ。

速度にはやや乏しいものの、動きのパターンの多さとメタカードの性能は一級品です。

 基本的にやることは今までと同じ。2ターン目にメタクリーチャーを置き、

・3ターン目に《「正義星帝」》→4ターン目にコスト5の進化クリーチャー

・3ターン目に《ネ申・マニフェスト》で手札調整→4ターン目に《エヴォ・ルピア》からコスト5の進化クリーチャー踏み倒し

 という展開を狙っていきます。

 オリジナル環境の《異端流し オニカマス》+《奇石 ミクセル》の構成と異なり、メタクリーチャーの刺さる範囲が違うために引き次第でメタビートとして機能しづらいのは明確な欠点。

 特に、オリジナルでは明確に有利である【赤白ドギラゴン閃】に対して押し負ける展開が大きく増えているのが悩みどころです。

 他のデッキ群と同じく殿堂の影響は全くありませんが、ビートダウンの最高峰である【赤白ドギラゴン閃】が目の上のたんこぶ。先述の通り直接対決も有利とは言えません。

 増加が予想される【ジョー星ゼロルピア】は、《「正義星帝」》からスタートするプランの場合であれば《希望のジョー星》を無視して4ターン目に《「正義星帝」<鬼羅.Star>》か《ダイナボルト<エタフェニ.Star>》へ進化できるため問題ナシ。

 しかし、《エヴォ・ルピア》から展開するプランの場合は致命的で、《エヴォルピア》がほぼ完全に「ちょっとサイズの大きい《熱湯グレンニャー》」へ成り下がってしまいます。

  総じて弱点が多く、「爆発力はあるものの安定した戦績を残しづらい」という評価は以前と変わりません。

 今回の殿堂入りで多くのトップメタが殿堂入りすれば十分に活躍できそうでしたが、今しばらくはこの立ち位置に甘んじそうです。

【ラッカ鬼羅Star】テーマ解説

殿堂施行後の環境変化

 多くのプレイヤーの予想に反して、今回の殿堂レギュレーション改訂は非常に淡白なものでした。

 《暗黒鎧 ダースシスK》《不敵怪人アンダケイン》の殿堂入りによって【オカルトアンダケイン】は事実上デッキ消滅。

 《サイバー・I・チョイス》の殿堂入りでは【ネバーループ】と【マーシャルループ】が大打撃を受けましたが、そもそもこれらのデッキは「いないこともないけれど環境上位のデッキとは言えない」ラインを彷徨っているデッキであるため、環境への影響は軽微です。

 プレミアム殿堂になったカードのうち、《レアリティ・レジスタンス》はカード自体の強さというよりも、再録のあったカードのレアリティを気にしなければならないという「ゲーム外のストレス」やトラブルを意識したもの。

 《裏切りの魔狼月下城》は【5cコントロール】などで採用例のある強力なカードではあったものの、採用されないことの方が多いぐらいであったため、やはり大きな影響はありません。

 【オカルトアンダケイン】以外に打撃を受けたデッキは環境上に存在せず、その【オカルトアンダケイン】も直近の環境を支配していたとは言いがたく。

 結果として環境の最上位はそれほど大きく動かず、【オカルトアンダケイン】を意識して採用されていたメタカードが抜けるか抜けないか、という程度の影響に落ち着くと予測しています。

 実際はここに新弾のリリースが加わって環境は激変することになりそうですが……それはまた次回。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。今回は時期が時期だけに特殊な構成となりました。

 今期は対応力の化身である【5cコントロール】に対するカウンターパートとして、ネット大会で【4cデッドダムド】が、リアルのCSで【ジョー星ゼロルピア】が登場し、一気に環境の風通しが良くなった印象です。

 惜しむらくはこの環境の行く末に至る前に新弾がリリースされてしまうところですが、とはいえ新弾のリリースは毎度ながら楽しみなもの。

 この記事を参考にしてスパーリング用のデッキを準備しつつ、新弾を活かしたいろんなデッキを試していただければ幸いです。

 次回は7月上旬、オリジナルの解説記事でお会いしましょう! それでは!

オリジナル環境はこちら

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