「強化読み」注文勢を泣かせるつもりで収録リスト決めてないですか
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。来ましたね、ビクトリーBEST。出て早々、新カードたちがさっそく環境を賑わせていますね。
それに伴って新カードや再録カードの注文を目にする機会も増え、「やっぱり弊社顧客も待ってた種族強化なんだなあ……」としみじみしながら日々ベルカードを書いています。
ぶっちゃけた話をすると、サムライ（と、プッシュ薄めのアビス）以外は前から「弊社では」人気が高かったので業務上はあんまり変わってないという説があるんですが。
いやその。アウトレイジもゴッドもハンター（というか「刃鬼」）も、関連パーツの収録セットが絶版かつ妙にばらけててリアルのカードショップで買うの大変だったんだろうなあと思います。こうやってまとまった収録があって本当に良かったです。
……まあ、そうなったらそうなったで収録漏れした《 無限皇 ジャッキー 》とか《 ゴッド・シグナル 》とかが単品で売れてくだけなんですが。物欲というものはままならないですね。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《 ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」 》
【 クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / アーマード・サムライ / 文明 光/火 / パワー6000 / コスト5
■G・ストライク
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の火のエレメントの数以下のコストの相手のエレメントを1つ選び、破壊する。その後、自分の光のエレメント1つにつき、カードを1枚引いてもよい。
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の手札から、自分の手札の枚数以下のコストを持つ進化ではない、サムライまたはアーマードを1枚、コストを支払わずに使ってもよい。
ドラゴンについて語ることは、何もありません。
……とはいかないので、真面目に説明を。本当はこんなのやりたくないんですが、書くことがありそうな新規高レアが全部トカゲっぽいやつか起源神もどきなんですよね……。
というわけで、「ビクトリーBEST」にて収録されたアーマード・サムライのSRです。
サムライの中でも特に人気の高い《 戦極竜ヴァルキリアス・ムサシ 》が武者になって帰ってきたこのカード。
「手札さえあれば強い」と15年近くに渡って言われ続けてきた反動か、待望の大量ドロー効果（と、昨今の標準装備となったエレメント除去）を獲得し、さらにその手札の数に応じてさらなるカードを射出する……と、実に噛み合った実装で生まれ変わりました。
……まあ、元ネタの「二刀流」感は失われましたがこれはさすがに致し方なし。2体展開できてたらどれだけぶっ壊れてたかは、現時点でさっそく環境で活躍しているという事実が証明しています。
このカードの使い方についてはあとで別の方から解説があるのでいったん置いといて、今回はこのカードが登場するに至った経緯についてざっくりと語っていこうと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。
まずは、元ネタの《 戦極竜ヴァルキリアス・ムサシ 》をちょっと見てみましょうか。
おっとすみません、視認性が最悪のバージョンを持ってきてしまいましたのでテキストをお出しします。
■進化V-自分のサムライ・クリーチャー2体の上に置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、進化ではないサムライ・クリーチャーを2体まで、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。そのクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。そのターンの終わりに、そのクリーチャーを破壊する。
■W・ブレイカー
要するに、進化Vで登場して手札から2体のサムライをSAつきで射出して自在に操り攻めていく……というデザインですね。コスト制限もありませんし、まあ見るからに強そうです。
《 バルキリー・ドラゴン 》→《 超竜ヴァルキリアス 》の「仲間を呼ぶドラゴン」の系譜と、二本の剣を操る宮本武蔵をイメージしたナイスデザインだと思いますよ。……フレーバー的には。
一度、このカードを実運用をするパターンを考えてみましょうか。
まず、進化元のサムライ2体を用意します。次に、このカードを出して進化させます。その後、手札からサムライ2体を出して総攻撃。うんうん。
しれっと手札5枚消えたが？
そう、こいつめちゃくちゃ手札食うんですよ！しかも最後には「踏み倒す価値のあるサムライ」を手札に残すことを要求しながら！
「じゃあそこまでの過程にドロー付きのサムライ生物とか出せばいいんじゃない？」と思うじゃないですか。
では、戦国編時点で存在したドロー付きのサムライ生物を全員見てもらいましょうか。イカれたメンバー紹介するぜ！
以上だ！
やる気あんのか！？
そう、当時のサムライってマジで手札が増えないんですよ！
厳密に言えば《 風来の股旅ビワノシン 》でのサーチとか《 助太刀 メモリー・アクセラー 》の攻撃時ドローとかあるんですが、どちらもクロスギアが存在するのが前提ですからね。「クロスギアを引き入れる」だけならけっこうあるんですが。
旧枠の定番こと《 海王提督ラネーバ・早雲 》も普通に使えば相手依存かつ重いし、当時のサムライはもうありとあらゆる方面から「手札を増やすこと」を制限されてたんですよね……！
それが、冒頭でこそっと語った「手札さえあれば強い」という点なわけです。サムライという特殊種族を参照する都合で、のちの強化でもこの部分にほとんどテコ入れが入らなかったこともあり、熱心なファンを持ちながら動きに難があるという弱点はそのままでした。
──だが、今は違う！インフレにより過去テーマの強化のやり方が確立されたのだ！（ギュッ）
おっかなびっくり過去テーマに強化を当てて鳴かず飛ばずだったパターンの反省か、最近の強化は本当に的確。つまりは「長所に現代スペックの強化を与えたうえで、 ちゃんと足りないところも埋める」というものです。もっと短く言うとヤケクソ強化です。
なんだかんだ言われてる《 絶望神サガ 》も、3マナ以下の動きが少ないという欠点を持つ【ゴッド】系列にてルーターやりつつ次のターンに《 プロジェクト・ゴッド 》の起点を用意する……という「わかってる」タイプの強化でしたからね。同名禁止を書き忘れただけで。
もうちょっと分かりやすいところでいくと「ヒーローズ・ダークサイド・パック」の【赤黒バイク】強化とかいい例ですね。
というわけで、《 ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」 》に施されたのはまさしく過去の自分、ひいては種族全体の弱点を埋める「手札補充」。
それに加え、本来あるべきだった《 天雷の導士アヴァラルド公 》の対存在こと《 天装 タイショウ・アームズ 》の登場や、偉くなったボ武こと《 ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」 》がシールド焼却からブレイクになったのも相まってとにかく手札に困らなくなったんですよね。
こんなふうに弱点を克服したのがよっぽどうれしかったのか、手札枚数依存の展開効果まで身に付けてウキウキしているようです。
もしまだ新生サムライの切れ味を味わっていない方がいらっしゃれば、ぜひお試しあれ！
……え、自分はどうなのかって？語らなきゃいけないやつですかそれ？
ガンリュウ・ムサシ「俺は？」
というわけで、《 ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」 》でした。
ちなみに今回のサムライの総大将たる《 ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」 》はおそらく、さっきの「長所に現代スペックを与える」枠なんですが……。
旧ボ武のスペックを見ると、こっちも「ちゃんと足りないところを埋める」枠だったんじゃないかと気もしてきます。いやあここまでまっとうに全部強化されることあるんですね。
こうして新しいサムライが活躍することで、「ここまでやらないとダメだったんだ……」と旧ボ武の尊厳がどんどん失われていくというハイ・テックなシステムです。
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
おや、今回もテーマがありませんね。「禁王創来」、マジですぐ来ますからね。
というわけで、次回のテーマはこちらです。各自予習していってください。
この記事の感想などありましたら、#北白河の今日の一枚でのツイートや拡散などなど心よりお待ちしております。
下のボタンからすぐにやると、確実に拡散できてさらにお得！今すぐやれ！
それでは、次の記事で。北白河でした。
前回の記事
