【DM歴代名作デッキ】Vol.86~5c蒼龍(キラスペ)~【週刊:神結コラム】

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【DM歴代名作デッキ】Vol.86~5c蒼龍(キラスペ)~【週刊:神結コラム】

 こんにちは、神結です。

 前回の5cコントロールの記事にはビビるくらいの反響をいただきました。みんな思ったよりも5cと思い出が好きなんですね。

 ところで思い出と言えば、先月末にガンダムSEEDの映画が公開されまして、現在も絶賛上映中となっています。私も既に何度も映画館に行って、楽しんでいます。

 さて、今回のテーマですが5cと思い出とガンダムSEEDということで1つ。

 「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。

 今回は【5c蒼龍(キラスペ)】です。

 

目次

本日の名作デッキ紹介

それでも守りたいマナ武装があるんだ

 というわけで今回の名作?デッキは見方によっては吉村家の家系ラーメンに該当する、【5c蒼龍(キラスペ)】になります。

 5c蒼龍の歴史はここから始まっています。

 リストが作成されたのは2017年、GP5thの時です。

 内容は48枚そのまま再現して、これです(バージョンは違うかもだけど)。


 デッキ制作者はキラ・ヤマト選手。あのC.E.世界の英雄と同じ名前です。キラさんのデッキなのでキラスペです。

 まぁあのキラ・ヤマトを名乗るくらいの男なんでなんとなく伝わるかもしれませんが、この名前を聞いたいにしえの西国、特に中国地方のプレイヤーはまた難しい表情をされるかもしれません。

 しかし何はともあれそのプレイヤーとしての実力は折り紙付き。スーパーコーディネーター。【5cキューブ】での実績や【赤白ジョバンニ】に於ける《超次元ムシャ・ホール》の発見など、デュエル・マスターズの歴史に相応の名を残しています。

 と、まぁここまででも充分に私がキラさんのことを好きであると伝わったかと思いますが、そんなキラさんがGP5thに参加するために作成したデッキが【5c蒼龍】、通称「キラスペ」と呼ばれたデッキなんですね。

 デッキの名にもなっているのは、ご存じ《蒼龍の大地》

 そして前年の革命ファイナルに登場した強力な多色カード、更には強力なロックカードなどを、惜しみなくデッキに詰め込んでいます。

 それを実現するための基本的なデッキの軸は、条件を満たしたときに3ブースト出来る《獅子王の遺跡》と言えるでしょう。

【 呪文 】
文明 自然 / コスト4

■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
■マナ武装4:自分のマナゾーンに多色カードが4枚以上あれば、自分の山札の上からさらに2枚をマナゾーンに置く。 

 テキストを読んでもらえばわかるとおり、トリガーの1ブーストですが、多色マナ武装4という条件で2ブーストが追加出来ます。

 ただしこのカードは4コストなので、《フェアリー・ミラクル》から入れれば好都合ですが、基本的に4ターン目に4マナからプレイするケースも多い筈です。

 そのため、このアーキタイプでは単色・多色の枚数配分がとにかく大事です。当時はまだ《Volzeos-Balamord》とかもありませんからね。

 このリストの単色:多色の配分は15:25。人間が美しいと感じられる黄金比が5:8なので、ちょっと惜しい。15:24:1(禁断)が一番綺麗なんだな。

 さて、《獅子王の遺跡》の条件を達成するためには上から多色を落とす以外にも多色3枚を連続でチャージする必要があり、それはつまり手札にある《ニコル・ボーラス》なども序盤からべこべこマナに置く必要があるんですよね。

 ですので、序盤にマナに置いたカードをゲーム中盤以降に生かしていくためにお待たせしました、《蒼龍の大地》が出てくる訳なんですよね。

【 呪文 】
文明 火/自然 / コスト8

■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■自分のマナゾーンにあるカードの枚数より小さいコストを持つ、進化ではないクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから、バトルゾーンに出す。
それが火または自然のクリーチャーなら、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。
その2体をバトルさせる。 

 1回《ニコル・ボーラス》による全ハンデスを経由した後に、《百族の長 プチョヘンザ》などで足止めしつつ、最後にいわゆるVANナイン(デルフィン)大王を狙っていく、というのがこのデッキの勝ち方になる訳ですね。

 あとはご存じ、不可能を可能にする男もいます。

【 クリーチャー 】
種族 ヒューマノイド / レッド・コマンド・ドラゴン / ハンター / エイリアン / 文明 火 / パワー9000+ / コスト10

■スピードアタッカー
■パワーアタッカー+5000
■このクリーチャーが攻撃する時、相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。(ガチンコ・ジャッジ:各プレイヤーは自身の山札の上から1枚目を見せ、それを一番下に置く。そのカードのコストが相手以上であれば、自分の勝ちとする)
■T・ブレイカー

 受けの方はそれなりに考慮されており、《獅子王の遺跡》が機能したあとならば《蒼龍の大地》自体が強力なトリガーになりますし、それ以外だと《テック団の波壊Go!》やら《支配のオラクルジュエル》、そして《怒流牙 サイゾウミスト》などが採用されています。

 この時期は【モルトNEXT】が《爆熱天守 バトライ閣》と共に健在だったものの、一方で【ロージアダンテ】なども存在しており、【白緑メタリカ】が台頭してくるギリギリ手前だったので、比較的環境の速度は緩めでした。

 モルトNEXTには楯受けして、ロージアには動きで倒すというこのデッキのアプローチ自体は、決して悪いものではなかったんですよね。

 ちなみにGP5thのキラさんの戦績は6-2のオポ落ちだったそうです。惜しい。

 

トリガーを積むから受かるのではありません、受かるためにトリガーを積むのです

 しかしこれはあくまでスーパーコーディネーター用のOSです。ナチュラルでは使うことは出来ません。

 実は上記の「モルトNEXTを楯受けする」という前提がそもそも成立せずに受からなかったり、リソースがか細かったりと、実はナチュラルが使うには問題が山積みでした。

 要するに、サイが使っても勝てるリストにしなければいけません。

 ですので当時の私はOSを勝手に書き換えてもいいかをキラさん本人に確認したところ、本家キラ・ヤマトさんくらいの大らかさで「ミラクル獅子王蒼龍が入っていれば、それはもうキラスペなんだよ」というFREEDOMなお言葉を頂きました。

 そして色々と弄ったのが次のリストになります。


 こちらは、ゴリゴリに《怒流牙 サイゾウミスト》で受ける方向にシフトしています。

【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント / シノビ / 文明 光/水/自然 / パワー7000 / コスト7

■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■ニンジャ・ストライク 7
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の墓地にあるカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置く。次の自分のターンのはじめに、自分のシールドを1つ、マナゾーンに置く。

 結局トリガーの量とかで受かる時代ではなかったので、質のチャレンジを量こなすというアプローチを試みてる訳ですね。

 特に《コクーン・シャナバガン》は、申し訳程度の手撃ちが利き、サイゾウで捲れれば勝ちというS・S・Tです。

 これがあるので、《偽りの王 モーツァルト》も採用出来るようになりました。

 また《レインボー・スパーク》はドロー+受けの嵩ましカードとして頑張ってくれています。手札増やすカードってほぼなかったんですよね。

 というわけで、《怒流牙 サイゾウミスト》からトリガーが絡む試合ではまぁまぁ【モルトNEXT】相手にも受け切れるようになりました。《偽りの王 モーツァルト》で粘って《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》まで到達出来たりと、一定の勝率は出せました、一応。

 

 以降のキラスペは、先にも少し触れましたが【白緑メタリカ】の登場によって一瞬でチェインコンボ時代が到来してしまい、特に存在感を発揮することなく闇へと落ちていきます。ビッグマナというデッキは、常にループデッキ・チェインコンボデッキの台頭にに怯えなくてはいけなかったのです。

 その後【5c蒼龍】はまた別の形で脚光を浴びることもありましたが、それはまた別の時代の話。

 

おわりに

 「DM歴代名作デッキ」、第86回はこれは本当に私の大好きな【5c蒼龍(キラスペ)】でした。

 

 《ミステリー・キューブ》の殿堂以降、5c系統のデッキは素直にマナを伸ばしてカードを投げるしかなく、5cの愛好家たちは地道にそれをやっていたのですが、それでも訊けば誰もが望んでいた筈です。踏み倒したいクリーチャーがあると。

 ですがそれと同時に、「受けにならない踏み倒しは弱い」ことも知っていました。

 そんな中で登場した《蒼龍の大地》は、1つの希望でした。

 ですがそもそも、この時代は全体的にビッグマナに逆風が吹いており、また《蒼龍の大地》というカードも《ミステリー・キューブ》とは違って確実性はあるものの条件達成が困難であり、従来の5cにそのまま突っ込んでもフルスペックを発揮出来たとは言いがたいものがありました。

 そこで出てきた【5c蒼龍】、もといキラスペは、まさに舞い降りた剣。5c愛好家にとっての新たな剣だったのですね。

 そういう意味では、このデッキは戦績や実績以上に、結構多くのプレイヤーに影響を残したデッキだったんじゃないかと思っています。

 

 というわけで、今回はここまで。

 「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。

 それではまた来週会いましょう。

 

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