【DM歴史探訪シリーズ一覧】
01. 「基本編」北白河
02. 「闘魂編」神結
03. 「聖拳編」垢BANチキン
04. 「転生編」ばにら(スガワラ)
05. 「不死鳥編」ばにら(スガワラ)
06. 「極神編」ばにら(スガワラ)
07. 「戦国編」◆ドラえもん
08. 「神化編」神結
09. 「覚醒編」神結
10. 「エピソード1」ばにら(スガワラ)
11. 「エピソード2」ばにら(スガワラ)
12. 「エピソード3」神結
13. 「ドラゴン・サーガ」ばにら(スガワラ)
14. 「革命」神結
15. 「革命ファイナル」神結
16. 「新章DM」神結
17. 「双極篇」神結
18. 「超天篇」◆ドラえもん
19. 「十王篇」垢BANチキン
デュエマの歩んだ歴史をシリーズごとにご紹介するDM歴史探訪。
今回は勝太小学生編より、エピソード1をお送りいたします。
出典:デュエル・マスターズ公式
回を重ねてきた歴史探訪シリーズですが、そういえばエピソードシリーズを取り扱うのは初めてですね。
デュエマの歴史に残る大変化、主人公の交代とカードフレームの変更が行われたこの年。
そのとき、環境はどう動いたのか? ぜひ最後までお付き合いください。
お相手はわたくし、ばにら(スガワラ)がお送りいたします。
目次
エピソード1、その概略
2011年から2012年にかけて展開された、『E1』ことエピソード1シリーズ。
出典:デュエル・マスターズ公式
10年目を迎えるデュエマが、大きな革新と共に迎えたシリーズです。
主人公の交代やカードデザインの一新はもちろん、
- 上位レアリティ「ビクトリー」の追加
- カティノカードから続くFOILの系譜「MODE→CHANGE」の導入
- DASHゴールデンリストの制定
- 新規カードを主軸にした強力なスタートデッキ
……エトセトラ。ここまでの10年間の中でも、最大級の変化が訪れました。
これら大規模なリニューアルからは、心機一転・再スタートを目指していたことが窺い知れます。
通常セットが前年で39弾を数え、子供向けゲームとしては歴史が膨らみすぎていましたからね……
(勝舞の時代は通常弾を「○弾」と呼ぶことがよくありました。その数字が大きくなると、歴史の長さが新規参入者を尻込みさせちゃうかもしれませんからね)
一方で、環境やギミックについては前年に引き続き、超次元ゾーンが台風の目となりました。
こうした、ゲームシステム面で連続性が高い点は、勝太→ジョーの引継ぎと対照的ですね。
各セットで登場したカードとデッキ
さて、ここからは時系列に添って登場カードを見ていきましょう。
DMR-01『ファースト・コンタクト』
まずはトップバッターを務める『ファースト・コンタクト』。
発売の1週間前に、東京ファッションタウンビルで開催された『ビクトリーツアーDX』にて先行販売が行われました。
6月製品の先行販売は次世代ワールドホビーフェアでの実施が通例なので、このあたりも「新しいことやったるぞ!」という意気込みを感じられましたね。
僕も友人とともに先行販売に並んだものの、お目当てのビクトリーレアとは出会えず……
そう、当時誰もが求めた(?)目玉レアがこのカード!
《ガイアール・カイザー/激竜王ガイアール・オウドラゴン》
【 サイキック・クリーチャー 】
種族 レッド・コマンド・ドラゴン / ハンター / 文明 火 / パワー6000 / コスト8
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
自分のシールドがブレイクされる時、そのシールドを見る。手札に加えるかわりにそれを自分の墓地に置いてもよい。そうした場合、こうして墓地に置いたカードのいずれかと同じコストのハンター・サイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
【覚醒後】
カード名:激竜王ガイアール・オウドラゴン
カードの種類:サイキック・スーパー・クリーチャー
文明:火
種族:キング・コマンド・ドラゴン/ハンター
パワー:25000
コスト:24マナ
マナ:-
このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーよりパワーが小さい相手のクリーチャーをすべて破壊する。
ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)
リンク解除(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、そのサイキック・セルのいずれか1枚を選んで超次元ゾーンに戻し、残りのカードを裏返す)
※覚醒リンクするために必要なカード(ガイアール・カイザー/ブーストグレンオー/ドラゴニック・ピッピー)
覚醒することなくスピードアタッカーかつW・ブレイカーという打点は、サイキック・クリーチャーの常識を覆すものでした。
中でも《超次元シューティング・ホール》との組み合わせは強烈。
前年から環境に存在していた《爆竜 GENJI・XX》相当のアクションを(多少の差異はあれど)1マナ軽く行えることもあり、注目を集めました。
環境を定義する速度、新たな最高レアリティ……と、のちの《轟く侵略 レッドゾーン》を思わせますね。
覚醒リンクした姿を見せることもありましたが、多くは単体運用を前提として採用されていた記憶があります。
《サイバー・N・ワールド》
【 クリーチャー 】
種族 サイバー・コマンド / 文明 水 / パワー6000 / コスト6
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、各プレイヤーは自身の手札と墓地のカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、それぞれ、5枚カードを引く。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
非常に優秀なcip(出たとき)能力を持つクリーチャー。
中速アグロでは、リソースが尽きた頃に着地。手札を整えつつ追加の打点になってくれます。
また、手札を溜め込む相手・墓地を利用する相手への強烈なメタにもなりました。
さらに、サイバーであることから、前年に殿堂入りした《エンペラー・キリコ》の進化元としても運用が可能。【キリコ】系デッキを環境に返り咲かせる原動力ともなりました。
《復活の祈祷師ザビ・ミラ》
【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / エイリアン / 文明 闇 / パワー9000 / コスト8
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の他のクリーチャーを好きな数破壊してもよい。こうして破壊したクリーチャー1体につき、コスト6以下のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出してもよい。 (ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自身の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
これまたとんでもない能力を持つスーパーレア。「好きな数」という単語に大量展開を組み合わせたらそりゃヤバかった。
登場当初は《時空の霊魔シュヴァル》を出しつつ《霊魔の覚醒者シューヴェルト》に覚醒させる運用が主でした。
さらなる評価は次弾以降となるものの(後述)、全盛期には『ファースト・コンタクト』トップレアの一角となったカードです。
これまた《エンペラー・キリコ》で展開すると大変なことになるのがポイント。
《ザビ・ミラ》複数体、ときどき《魔龍バベルギヌス》あたりが出てきてしっちゃかめっちゃかになる光景は、当時よく見られました。地獄?
《霞み妖精ジャスミン》ら自壊サイクル
【 クリーチャー 】
種族 スノーフェアリー / 文明 自然 / パワー1000 / コスト2
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
新シリーズの始まりだけあって、デッキの基本となるカードも登場しました。
中でも《霞み妖精ジャスミン》は2マナブーストでは初となるクリーチャーとして大いに注目されます。
先述の《キリコ》絡みなど、「めくれたら困る」というデッキを除き、多くのデッキで初動を務めました。
現在に至るまでもっとも活躍した『ファースト・コンタクト』のカードは《ジャスミン》で間違いないでしょう。
他にも《コアクアンのおつかい》《超次元ガロウズ・ホール》《竜のフレア・エッグ》《次元流の剛力》《悪臭怪人ゴキーン》などなど……
後に評価されるカードも含め、パワーカードに満ちていたセットでした。
さらに、『ファースト・コンタクト』発売と同時に新殿堂が発表。翌月に施行され、環境は大きく揺れ動きます。
「「規制されてる~~~~!!??」」
そんな『ファースト・コンタクト』期のデッキを1つご紹介。
尖った速攻デッキといえば《死神術士デスマーチ》らを擁する黒緑に一歩劣っていた赤緑ですが、『ファースト・コンタクト』から《パワフル・ビーム》を、スタートデッキから《無頼勇騎タイガ》を獲得し、再び一線級のデッキに返り咲きます。
《タイガ》を輩出したスタートデッキについてもちょっとだけ。
この年は『ワイルド・キングダム』以来となる、新規カードを主力としたスタートデッキでした。
現在に至るまで、この「新規カードが主力」スタイルが継続されていることからも、好評を博した商品だったんでしょうね。
出典:デュエル・マスターズ公式
……青黒エイリアン速攻を使うドラゴン龍、誰だお前。
DMR-02『ダークサイド』
エピソード1の第2弾は、闇のカードが主人公を務める異色のパック。これも新しい取り組みといったところでしょうか。
そんな主人公カードが、のちにプレミアム殿堂となるこのカード。
《ヴォルグ・サンダー/雷獣ヴォルグ・ティーガー》
(プレミアム殿堂カード) 【 サイキック・クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / ハンター / 文明 闇 / パワー7000 / コスト6
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーを一人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の山札の上から、クリーチャーが2体出るまでカードを墓地に置く。
W・ブレイカー(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自分の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)
【覚醒後】
カード名:雷獣ヴォルグ・ティーガー
カードの種類:
文明:闇
種族:デーモン・コマンド/ハンター
パワー:11000
コスト:12マナ
マナ:-
このクリーチャーが攻撃する時、相手の手札を見ないで1枚選び、捨てさせる。その後、その捨てたカードよりコストが小さいクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
リンク解除(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、そのサイキック・セルのいずれか1枚を選んで超次元ゾーンに戻し、残りのカードを裏返す)
※覚醒リンクするために必要なカード(ヴォルグ・サンダー/サンダー・ティーガー)
山札を消し飛ばすって書いてありますね……
自身がコスト6のサイキック・クリーチャー……そう、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》が大活躍する原因となったカードです。
1体目の《ザビ・ミラ》が《ヴォルグ・サンダー》を4体出す→2体目の《ザビ・ミラ》がそれらの《ヴォルグ・サンダー》を破壊して超次元ゾーンから出しなおす……という動きでのライブラリアウトは、このあとしばらく環境に鎮座することになりました。
ちなみに、なぜか本弾と次弾の2セットだけビクトリーレアの封入率が高く、実はこの《ヴォルグ・サンダー》、意外にも?登場当初のレートは低めでした。
《永遠のリュウセイ・カイザー》
【 クリーチャー 】
種族 レッド・コマンド・ドラゴン / ハンター / 文明 火 / パワー8000 / コスト8
バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。
W・ブレイカー
相手のクリーチャーは、バトルゾーンに出す時タップして置く。
相手の呪文の効果または相手のクリーチャーの能力によって、このクリーチャーが自分の手札から捨てられる時、墓地に置くかわりに自分のバトルゾーンに置いてもよい。
後の時代まで派生カードが作られ続ける人気キャラクター・リュウセイもここが初出です。
初代の堂々としたたたずまいのアートは改めてカッコ良いですね。
こう端から端まで強力な効果なので逆に解説に困るのですが、当時は特に《エンペラー・キリコ》から出てきて全体SA付与→〆!という動きでの運用を多く見かけた印象です。
他にも、いわゆる連ドラ系、ビマナ(当時はこういう呼び方あまり聞かなかったのですが)系など、「赤を含んでマナが伸びるデッキ」ならだいたいどこにでも採用されました。そりゃそう。
マッドネス効果がランダムハンデスに、タップインが《光牙忍ハヤブサマル》に対する強烈な牽制になったことも付記しておきましょう。
ちなみに筆者は親知らずが横向きに生えてきたと友人に話したら「口の中にリュウセイ飼ってんの?」と言われました。歯医者に行ってきます。
《超次元ホワイトグリーン・ホール》サイクル
【 超次元呪文 】
文明 光/自然 / パワー- / コスト4
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
コスト5以下のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
このようにして光のサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出した場合、自分の手札を1枚裏向きにして、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。
このようにして自然のサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出した場合、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
脇を固めるカードとしては、4マナ超次元呪文サイクルが挙げられます。
中でも《ホワイトグリーン・ホール》は、速いデッキを相手取るときは楯を仕込み、遅いデッキを相手取るならばリソースを回収……と、状況に応じた柔軟性が魅力でした。
そもそも超次元呪文自体が、出すクリーチャーを選べる柔軟性を持っていたわけですが、
「好きなサイキッククリーチャー出していいよ、でも出した色によってボーナスが違うよ」
……というこのデザインは、超次元呪文の新たな可能性を切り開いたと感じています。
さて、この時代を代表するデッキが、先ほどからちらちらと存在をほのめかしていた【ザビミラキリコ】です。
相手の山札を消し飛ばすことに特化した、美しくもおぞましいリスト。
こちらは当時のCS優勝者のデッキなのですが、楯落ちをケアする《デビル・ドレーン》、一斉攻撃プランに切り替えるための《ダイヤモンド・ソード》など、1枚差しのカードに”専用機”感があって非常にカッコ良いですね……!
DMR-03『ガイアール・ビクトリー』
そして年末パック。『ガイアール・ビクトリー』では前2弾と打って変わって、敵対色の組み合わせが推奨されます。
※俗語なので解説:デュエマにおいて「光―水」「火―自然」など、カードリスト上で隣り合う文明の組み合わせを友好色、隣り合わない組み合わせを敵対色と呼びます。元ネタは例のごとくマジック・ザ・ギャザリング。黎明期を除いて別に敵対してないんだけどね。
過去のセットでもそうなんですが、敵対色は強力なカードが生まれがち。
今回もそのジンクスが炸裂します。
《超電磁コスモ・セブ Λ》
【 進化クリーチャー 】
種族 サイバー・コマンド / エイリアン / 文明 水 / パワー7000 / コスト5
進化-自分の火または自然のクリーチャー1体の上に置く。
メテオバーン-このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、カードを3枚引く。
W・ブレイカー
自分のターンのはじめに、進化ではないクリーチャーを1体、自分の手札からこのクリーチャーの下に置いてもよい。
進化条件の緩さと継続したリソース確保が強力なアタッカーです。
特に、自然を進化元にできることが優秀であり、《青銅の鎧》《進化の化身》といったクリーチャーとはマナカーブが鮮やかに繋がります。
後述の同期カードとともに【ラムダビート】を成立させ、一定の勢力を築きました。いつだってドローしながらのビートダウンは爽快ですからね。
《ドンドン吸い込むナウ》
【 呪文 】
文明 水 / パワー- / コスト4
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
自分の山札の上から5枚を見る。そのうちの1枚を相手に見せて手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。このようにして見せたカードが火または自然のカードであれば、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
出ました《ドン吸い》!
【ラムダビート】のようなアグレッシブなデッキから、【キリコ】のようなガチャガチャするデッキまで、多くのデッキでお守りとパーツ探しを兼ねてくれる名カードです。
その汎用性の高さに見合わない(?)エキセントリックなカード名に、当時は眉をひそめたプレイヤーもいたとかいなかったとか。
今となっては派生カードをもりもり作られているので、慣れって大切ですね。
《熱湯グレンニャー》
【 クリーチャー 】
種族 フレイム・モンスター / ブルー・モンスター / 文明 水/火 / パワー1000 / コスト2
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引いてもよい。
青いカードばっかりだな!!?
アクア・ハルカスの殿堂入りとは何だったのか、と思わせる2マナでデメリット無しのドロー付きクリーチャー。
先述の《ドン吸い》で引いてこられて、《Λ》のタネにできる……と、このセット内だけでばっちり噛み合っている点も強力です。
というわけでお財布の味方!今も昔も低価格、【ラムダビート】をご紹介。
デッキにも採用されている《カモン・ピッピー》が収録されたのも『ガイアール・ビクトリー』ですね。
他にも《鎧亜戦隊》サイクル、『超次元の手』サイクルをはじめ、優秀なカードが散見されます。
……ただ、一方でコメントに困るカードも多く、全体としてカードパワーの強弱が激しいセットでした。
なお、このセットに先駆けて発売されたDMX-04,05『フルホイルパック リバイバル・ヒーロー』シリーズで《ボルバルザーク・エクス》が登場。
これにより【Nエクス】系のデッキが成立します。
当時のグッドスタッフの最高峰とでも呼ぶべき、カードパワーの高さが見てとれますね。
それにしても、デッキとして組み合わされた2つのカードが後にディスペクター化されるの、美学を感じますね……
DMR-04『ライジング・ホープ』
このセットの発売に先駆けて殿堂入りが施行。《エンペラー・キリコ》《母なる紋章》がプレミアム殿堂となったことで、【キリコ】系デッキが消滅します。
そんな新たな環境と共に世に出た『ライジング・ホープ』。多色推奨シリーズのラストに相応しく、3色・5色レインボーを含む多くの多色カードが登場しました。
《勝利のガイアール・カイザー/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン》
【 サイキック・クリーチャー 】
種族 レッド・コマンド・ドラゴン / ハンター / 文明 闇/火/自然 / パワー5000 / コスト7
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、このクリーチャーはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる。(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自分の超次元ゾーンに置きバトルゾーン以外の場所へ行った場合そこに戻す)
【覚醒後】
カード名:唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
カードの種類:サイキック・スーパー・クリーチャー
文明:光/水/闇/火/自然
種族:レインボー・コマンド・ドラゴン/ハンター
パワー:26000+
コスト:30マナ
マナ:-
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
ハンティング(バトル中、このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある自分のハンター1体につき+1000される)
このクリーチャーがバトルに勝った時、このクリーチャーをアンタップし、相手のシールドをふたつ選ぶ。相手はそのシールドを自身の手札に加える。
ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)
リンク解除(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、そのサイキック・セルのいずれか1枚を選んで超次元ゾーンに戻し、残りのカードを裏返す)
※覚醒リンクするために必要なカード(勝利のリュウセイ・カイザー/勝利のガイアール・カイザー/勝利のプリンプリン)
このセットといえば《勝利のガイアール・カイザー》ら、通称「勝利サイクル」は外せません。
そもそも多色サイキック・クリーチャーは呼び出す手段が豊富な時点で強力なんですよね。
まして即座に盤面に影響を与える《勝利のガイアール・カイザー》が弱いはずもなく。
特に《超次元ミカド・ホール》とアンタップキラーの相性は素晴らしく、登場直後から組み合わせての活躍が多く見られました。
《勝利のアパッチ・ウララー》
【 クリーチャー 】
種族 メルト・ウォリアー / ダークロード / ハンター / 文明 闇/火 / パワー3000 / コスト6
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが破壊された時、相手の手札を見ないで1枚選び、相手はそれを見せる。そのカードと同じ文明を持つ、コスト8以下のハンター・サイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自身の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)
このセットで登場したクリーチャー……なのですが、登場時点での扱いはイマイチでした。
何が出せるかは相手依存ですし、「いや、普通に超次元呪文使うよね……」といった評価が一般的。出せるサイキックがハンター限定だったのも、マイナス評価に拍車をかけていた印象です。
それが《蒼き団長 ドギラゴン剣》の登場で一躍環境カードになるあたり、デュエマは面白いですよね。
《フェアリーの火の子祭》
【 呪文 】
文明 自然 / パワー- / コスト3
自分の山札の上から2枚を見る。そのうちの1枚をタップして自分のマナゾーンに置き、もう1枚を山札の一番下に置く。こうしてマナゾーンに置いたのが火のカードであれば、この呪文を、唱えた後で墓地に置くかわりに手札に戻す。
こちらも初出はここながら、評価されるのはもう少し後。具体的には、マナ武装の概念が登場するドラゴン・サーガ以降で本領を発揮します。
前述の《勝利のアパッチ・ウララー》もですが、パック在庫が世の中から消えてしまうと、コモン・アンコモンは集め直しにくいので焦っちゃいますね。
さてさて。この時代のデッキとしてご紹介しておきたいデッキがもう一つ。【紅蓮ゾルゲ】です。
ジョークカードかと思われたコロコロプロモ《遊びだよ!切札一家なう!/カレーパン・マスター 切札勝太》がガチデッキになってしまうという、交通事故のようなデッキ。
ざっくり言うと、
- 《紅蓮の怒 鬼流院 刃》《偽りの名 ゾルゲ》を揃える
- ↑の状態で《切札一家なう》を7マナ以上の何かとバトルさせ《カレーパン・マスター》にする
- 《鬼流院 刃》の能力で《ヴォルグ・サンダー》を引きずり出して《カレーパン・マスター》で殴り倒す
- バトルに勝ったので再び《ヴォルグ・サンダー》を引きずり出して《カレーパン・マスター》でしばき倒す
- 相手の山札がなくなる
……というエグいデッキです。
前述のように《ヴォルグ・サンダー》もまた勝太のカード。勝太が自分の切り札をしばき倒して相手の山札を全部吹き飛ばす……正気か??
……話を戻して『ライジング・ホープ』のカードですが、少なくとも登場時点で活躍の機会を得たカードは一部にとどまりました。
ただ、サイキックをメタるカードの追加、そして新たなる時代を匂わせるクリーチャー――
次代への萌芽は、既に始まっています。
おわりに
デュエマ歴史探訪、エピソード1をお送りしました。
出典:デュエル・マスターズ公式
覚えている方・気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、この年は未曽有の大災害により、国内に大きな被害が出た年でもありました。
そんな中、電源を使わず遊べるデュエマが多くの人たちを勇気づけたこともまた、一緒に思い出していただければと願い、本記事を締めくくりたいと思います。
#DM歴史探訪 でご感想もお待ちしていますね!
さて次回は、革命編の執筆も記憶に新しい神結さんが、革命ファイナルを担当してくださいます!
ぜひ本記事と合わせて、勝太の歴史の始まりと終わりを見届けてください!
デュエル・マスターズ歴史探訪シリーズ一覧
【DM歴史探訪シリーズ一覧】
01. 「基本編」北白河
02. 「闘魂編」神結
03. 「聖拳編」垢BANチキン
04. 「転生編」ばにら(スガワラ)
05. 「不死鳥編」ばにら(スガワラ)
06. 「極神編」ばにら(スガワラ)
07. 「戦国編」◆ドラえもん
08. 「神化編」神結
09. 「覚醒編」神結
10. 「エピソード1」ばにら(スガワラ)
11. 「エピソード2」ばにら(スガワラ)
12. 「エピソード3」神結
13. 「ドラゴン・サーガ」ばにら(スガワラ)
14. 「革命」神結
15. 「革命ファイナル」神結
16. 「新章DM」神結
17. 「双極篇」神結
18. 「超天篇」◆ドラえもん
19. 「十王篇」垢BANチキン
参考サイト:田園補完計画第十七次中間報告書(2021/10/10閲覧)