はじめに
ついに開幕したデュエル・マスターズ20thイヤー。
そんな記念すべき年のスタートを飾った王来篇第1弾は、開発陣の気合のほどが伺える様々な施策によって、多くのデュエマファンに激震をもたらしました。
そして、それはゲームそのものにおいても、例外はありません。
前回のアドバンス環境記事更新からたった1ヶ月しか経っていませんが、環境の様相は大きく様変わりしています。
今回はそんな激動のアドバンス環境の「今」について解説していきたいと思います!
また、デッキを組みたくなった方はカードをまとめて購入することもできます!
当日の15時までにご注文頂ければ、即日発送で環境デッキのデッキパーツをお届けします。
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
新弾による環境の変化について
さて、各デッキの紹介に移る前に、まずは「王来編第1弾 王星伝説超動」のリリースによって環境にもたらされた変化について触れていきましょう。
今弾のリリースによって起こった変化は大きく3つ。
①《とこしえの超人》
②優秀な3色カードの大量追加
③レクスターズの強力な進化元VR・スター進化SR
①《とこしえの超人》
まずは①。
《とこしえの超人》は現環境を語る上で欠かすことのできない、環境の中心となっているメタカードです。
【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント / 文明 自然 / パワー4000 / コスト1
■G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
■このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
■相手が自身の手札以外からカードを出す時、かわりにマナゾーンに置く。
「十王篇」においても《U・S・A・BRELLA》や《ワナビーワラビー》のように、「手札以外のゾーンから出る」ことを規制するメタクリーチャーが登場しました。
しかし、《とこしえの超人》(と、《検問の守り 輝羅》)は、クリーチャーだけでなくカードの登場も規制します。
つまり、昨年夏から猛威を振るっている各種ドラグハートが完全な無用の長物になってしまう、ということです。
さらに加えて、《とこしえの超人》は1マナ。さらにさらに加えてパワー4000。
いくら攻撃できないし除去も通るとはいえ、先手2ターン目のアクションすらも制限しうることの強さは計り知れません。
また、単純に1ターン目に置けること以上に、1ターン目に自然含む多色をタップイン→2ターン目にも多色カードをタップインしつつ《とこしえの超人》召喚、とスムーズに動けるのが最大の強みといえるでしょう。
多色系コントロールにとって、貴重な単色カードをいつアンタップインするかは勝敗にも関わる大きな問題です。
パワー4000も《零龍》の「墓地の儀」単発で除去されないパワーライン。これ1枚で【オカルトアンダケイン】が詰む……ということもありませんが、対処しづらい厄介な存在であることは間違いありません。
このカードの登場により、出力の一切をGRクリーチャーに頼っていた【ドロマーオーラ】は、Tier1の一角から環境外へと盛大に都落ち。
同じく中堅どころとして存在感を示していた【ドラグナー】も、【ドロマーオーラ】ほどの致命傷ではありませんがやはり苦しい立ち位置にあります。
これによって相性不利のデッキが環境から減少し、のびのびと動きはじめたデッキもいくつか存在するなど、《とこしえの超人》は直接的にも間接的にも大きなインパクトを環境に与えたカードです。
②優秀な3色カードの大量追加
次は②について。
今弾の敵役を務めるディスペクターのテーマは、3色レインボー。
「色が3つある」というだけでマナ基盤に絶大な影響を及ぼしますが、しかもそれらのカードが十分に強力とあっては、多色デッキが強化されない理由がありません。
現時点でよく使われているのは、《聖魔連結王 ドルファディロム》、《龍風混成 ザーディクリカ》、《S・S・S》、《ドンドン火噴くナウ》の4枚。
中でも、キングマスターである《聖魔連結王 ドルファディロム》は新時代のフィニッシャーとして大きな存在感を放っています!
【 クリーチャー 】
種族 ディスペクター / エンジェル・コマンド / デーモン・コマンド / 文明 光/闇/火 / パワー13500 / コスト8
■EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く。)
■スピードアタッカー
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、またはこのクリーチャーの「EXライフ」シールドが自分のシールドゾーンを離れた時、相手の多色ではないクリーチャーをすべて破壊する。
■相手は多色ではない呪文を唱えられない。
シールド追加に複数回発動する全体除去、単色呪文ロックと除去耐性にSAの3打点がついてくる特盛っぷり。
特に全体除去と盾追加によるビートダウン耐性は非常に強力で、多色カードを基軸としないビートダウンデッキはこのカードが間に合われた瞬間に敗北を覚悟しなければならないほどです。
《ドンドン火噴くナウ》も、色基盤・中盤の繋ぎ・受けトリガーと多彩な役割を持てる強力な1枚。
【 呪文 】
文明 水/火/自然 / コスト5
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■自分の山札の上から3枚を見る。そのうちの1枚をマナゾーンに置き、1枚を手札に加え、残りの1枚を墓地に置く。こうして墓地に置いたカード以下のコストを持つ相手のクリーチャーを1体破壊する。
この2種類については、構築の自由度が非常に高い5cコントロールにおいても、ほぼ例外なく採用されています。
火・水・光の他2種については、構築を選んだり競合も強力であったりと「必ず採用される」わけではありませんが、選択肢としては十分すぎるほどに強力。今後も定期的に入賞デッキリストの中で目にすることでしょう。
③レクスターズの強力な進化元VR・スター進化SR
最後に、③について。
新たに環境に登場したデッキの一つ、【ラッカ鬼羅.Star】。
本デッキに言及する際は《「正義星帝」<鬼羅.Star>》や《マニフェスト<マルコ.Star>》の強力さが何かと取り沙汰されがちですし、実際これらのカードのスペックが非常に高いことに間違いはありません。
が、「レクスターズ」という共通の進化元も負けず劣らずハイスペックであることが【ラッカ鬼羅.Star】躍進の原動力だと筆者は考えています。
「除去されない」+コスト軽減でほぼ確実に次ターンの進化を達成する《「正義星帝」》。
【 クリーチャー 】
種族 メタリカ / レクスターズ / 文明 光 / パワー3500 / コスト3
■自分の進化クリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
■このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーは離れない。
■シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、次の自分のターンのはじめまで、相手はコスト4以下の呪文を唱えられない。
カード3枚を引ける強烈なルーティング能力で次ターンのアクションを安定化、シンカパワーによる擬似《アンタッチャブル・パワード》化も強烈な《ネ申・マニフェスト》。
【 クリーチャー 】
種族 トリックス / レクスターズ / 文明 水 / パワー2000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、カードを3枚引き、その後、自分の手札を2枚捨てる。
■シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーはブロックされず、相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。
ドラゴンサポートを受けられる《ゴリガン戦車 ゴルドーザ》として、オリジナルの【ラッカドギラゴン閃】にも採用される《大爆龍 ダイナボルト》。
【 クリーチャー 】
種族 ダイナマイト・ドラゴン / レクスターズ / 文明 火 / パワー5000 / コスト4
■スピードアタッカー
■各ターン、このクリーチャーがはじめて攻撃する時、アンタップする。
■シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。進化の後、その選んだクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。
進化先を探しながら墓地を肥やし、シンカパワーでメタクリーチャーを除去する役割も担える《虚∞龍 ゲンムエンペラー》。
【 クリーチャー 】
種族 ∞ドラゴン / レクスターズ / 文明 闇 / パワー3000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から4枚を表向きにする。その中から進化クリーチャーを1体、手札に加えてもよい。残りを墓地に置く。
■シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、自分の墓地にあるカード1枚につき、そのクリーチャーのパワーを-1000する。
VRの進化元レクスターズサイクルには、今後1年に渡って使われ続けるであろう優秀な足回りが揃っています。
現時点では【ラッカ鬼羅.Star】での活躍にとどまっているレクスターズですが、今後のスター進化強化にも期待がかかります。
それでは、今弾のカードによる影響を振り返ったところで、Tierランキングを紹介していきましょう!
Tier1
【5cコントロール】Tier1
新弾リリースから2週連続入賞数1位!
【5cコントロール】は「王来篇の寵児」ともいうべき強化っぷりで、環境トップの座をかっさらいました。
5cというデッキの特質上テンプレートと呼べる構築は存在しませんが、現在活躍しているデッキはほとんど例外なく《とこしえの超人》4投、《ドンドン火噴くナウ》3〜4投、《聖魔連結王 ドルファディロム》2〜3投。
これでもかというほど「王来篇」の恩恵を満喫できるデッキに仕上がっています。
今回のサンプルリストは、環境へのメタに振り切らず、受け性能の幅広さとバランスの良さを意識した構築。
3色レインボーの増加によって3ターン目の5色セットが容易になったこと、環境から殴り勝ちを狙うデッキが減少しつつあることから、大量ブーストの主軸はトリガー持ちのブーストである《獅子王の遺跡》から《フェアリー・ミラクル》へと移行しています。
また、以前までの環境であれば不動のフィニッシャーであり、今回のサンプルリストでも4枚採用されている《最終龍覇 グレンモルト》ですが、《とこしえの超人》の存在下でできることが少なく、増加したミラーにおいてはフィニッシュ力も十分だと言えないことから、枚数を減らした構築も出てきています。
とにかく自由度が高く、環境に合わせて構築も変幻自在。
ディスペクターや多色呪文が出るたびに可能性が広がる、まさに「王来篇」環境の顔ともいうべき存在です。
浮き沈みは予想されますが、今後1年間は常に名前を見続けるデッキとなるでしょう。
注意点として、《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》がほぼ不採用になったことで、【オカルトアンダケイン】側はランデスループを勝ち筋に数えられるようになりました。
王来篇以前と同じ感覚で戦うとあっさり負けてしまうので要注意です。
【5cコントロール】テーマ解説
【5cコントロール】に有利なデッキ
- 【デッドダムド】
- 【青魔導具】
【オカルトアンダケイン】Tier1
5cとは打って変わって、「王来篇」ムードに対する真っ向からの反逆者が【オカルトアンダケイン】です。
新弾のカードを採用するどころか、細部は調整しながらもほぼ変わらない構築で一線級の活躍を続けています。
数少ない変化としては、《とこしえの超人》を処理するために《龍装鬼 オブザ08号》を追加採用する構築が増えたことが挙げられるでしょう。
「墓地の儀」で処理できない《とこしえの超人》を除去しつつ、《追憶人形 ラビリピト》のハンデスの起動要員にもなる《龍装鬼 オブザ08号》は、環境の変化に対する最もスマートな回答です。
《爆撃男》を採用して、このカード複数枚、あるいは「墓地の儀」との合わせ技で対処する構築も一部存在しますが、メタのためにデッキパワーを下げることがコンボデッキの特性と噛み合わず、主流にはなっていません。
最も苦手としていた【ドロマーオーラ】が環境外へと転落したことも追い風となっており、前環境から引き続きTier1に相応しい強力さを誇っています。
【オカルトアンダケイン】テーマ解説
【オカルトアンダケイン】に有利なデッキ
- 【4cヴァイカー】
- 【ラッカ鬼羅.Star】
Tier2
【4cヴァイカー】Tier2
4月初頭に登場するやいなや環境での立ち位置を確立し、上位陣の仲間入りを果たした【4cヴァイカー】。
成立の過程は不明ですが、動き方のベースとしては、GP9thでベスト32に入賞し、一部で話題となった【4cハキリサンマックス】に近しいデッキです。
《葉鳴妖精ハキリ》や《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を活用して、本来であれば色が噛み合わなければプレイの難しい《天災 デドダム》を無理矢理プレイ。
リソース消費の激しいこれらのカードの弱点を補いつつ、広げた盤面に《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の複数回攻撃を付与して一気に勝負を決めにかかるビートダウンデッキです。
もちろんこれだけでは打点が足りないため、追加の打点要員は必須。
当時は《S級原始 サンマックス》や《MAGANO-CASTLE!》で打点形成を行なっていましたが、現代ではその役割を《BUNBUN・ヴァイカー》と《轟く革命 レッドギラゾーン》へと譲っています。
最速で3ターン目には致死打点を生成できる《BUNBUN・ヴァイカー》系デッキ特有の爆発力を持ちつつ、《奇天烈 シャッフ》+《瞬閃と疾駆と双撃の決断》or《轟く革命 レッドギラゾーン》によって複数回の呪文ロックを絡めたフィニッシュも可能。
《SSS級天災 デッドダムド》によってボードコントロールにも長けるなど、多彩なプランで攻められるのが特徴のデッキです。
成立直後は《死海秘宝ザビ・デモナ》というなかなか見ないカードが4枚積まれており、《STARSCREAM -ALT MODE-》とタッグを組んで3ターン《轟く革命 レッドギラゾーン》の成立に大きく寄与していました。
が、《とこしえの超人》が幅を利かせた現在の環境では、超次元ゾーンのカードに完全に依存してしまう《死海秘宝ザビ・デモナ》は減少傾向にあります。
色バランスのシビアなデッキなので、代わりに入るカードも黒単色がベター。
ということで、手札を減らさずにメタクリーチャーを潰しつつ、鬼タイム発動後は2打点になる《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》が採用されるようになっています。
幅広い相手と戦いうる優秀なデッキですが、あくまでビートダウンデッキではあるため、受けの堅いデッキはやや苦手。
また、手札からの踏み倒しコンボを展開の主軸としており、なるべく強いカードをトップから引いてくるために受けはほぼ不採用or最小限。
除去性能も《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》で多少緩和されているとはいえ、ほとんどをマッハファイターを起点としたクリーチャーからの展開に依存しています。
こういった事情から、自分よりも早いビートダウンデッキや、強制タップインなどで打点を押さえつけられてからのボードコントロールには脆い傾向にあります。
【4cヴァイカー】テーマ解説
【4cヴァイカー】に有利なデッキ
- 【デッドダムド】
- 【ラッカ鬼羅.Star】
- 【5cコントロール】
【ラッカ鬼羅.Star】Tier2
レクスターズからの刺客、堂々の環境入り。
2t目はメタクリーチャーを展開して相手の動きを制限しつつ、3t目に進化元となるレクスターズを展開。
《「正義星帝」》を出した場合は軽減効果で、《ネ申・マニフェスト》を出した場合は《エヴォ・ルピア》とセットで揃えることで、4t目の《「正義星帝」<鬼羅.Star>》の着地を狙います。
一度着地すればあとは簡単、ひたすら殴りながら横展開を作るだけ。
《カダブランプー》で《「正義星帝」<鬼羅.Star>》を起こせばお手軽4打点ですし、召喚時の能力で進化元→攻撃時の能力で《マニフェスト<マルコ.Star>》を順に踏み倒して進化速攻で打点形成するプランも存在します。
中でも、《その子供、可憐につき》は色基盤兼メタクリーチャー兼攻めの起点になる優秀なクリーチャーです。
《「正義星帝」<鬼羅.Star>》によって出てくる《カダブランプー》や《奇天烈 シャッフ》がSAになって襲いかかってくるのは脅威のひとこと。
打点形成力は環境内でも群を抜いており、トリガーのないデッキに対しては容易に貫通を狙える一方で、受け手段や全体除去をきっちりと用意している対面には苦戦を強いられることもしばしば。
特に環境トップである【5cコントロール】は苦手な部類だと言えるでしょう。
メタクリーチャーのチョイスは環境によって代わりますが、サンプルデッキでは、現在のアドバンス環境ではほぼ全ての対面に刺さる《検問の守り 輝羅》と、【オカルトアンダケイン】と【デッドダムド】に対して特に有効な《奇石 ミクセル》を優先して採用しています。
【ラッカ鬼羅.Star】テーマ解説
【ラッカ鬼羅.Star】に有効なデッキ
- 【5cコントロール】
【デッドダムド】Tier2
そろそろ長寿の部類に差し掛かってきたボードコントロール軸の王道ミッドレンジデッキ。
《聖魔連結王 ドルファディロム》や《最終龍覇 グレンモルト》を一発で解体でき、《奇天烈 シャッフ》で呪文トリガーもケア可能な点から、【5cコントロール】に対して有利が付くと明言できる数少ないデッキです。
《とこしえの超人》や《虹速 ザ・ヴェルデ》で遅延しつつ《轟く革命 レッドギラゾーン》を活用したビートプランによって【オカルトアンダケイン】をはじめとするトリガーの薄いデッキに対してもワンチャンスを狙えます。
苦手とする超高速ビートダウン・呪文コンボが環境内にほぼおらず、他の追随を許さないボードコントロール力がプラスに働く対面が多いため、徐々にポジションが良くなっているデッキの一つです。
【デッドダムド】テーマ解説
【デッドダムド】に有利なデッキ
- 【青魔導具】
Tier3
【青魔導具】Tier3
環境で唯一のスペルコンボ。
現環境においてもこのデッキが生き残っている理由は、ひとえに「《奇天烈 シャッフ》が効かないから」という部分にあるでしょう。
呪文を主体としたデッキが一気に減少したことで《音奏 プーンギ》を採用したメタビートが姿を消し、《とこしえの超人》のあまりの強力さにフィールドを採用するデッキが激減&【ドロマーオーラ】が環境から消えて、それに比例するようにカード除去を採用するデッキもほとんど見なくなりました。
これまで、ついでのように呪文コスト増加で出鼻を挫かれ、《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》に《卍 新世壊 卍》を叩き割られていた【青魔導具】にとっては、どちらもこの上ない福音です。
メタられると弱い運命を背負っているのは、もう覆しようのないコンセプトデッキの特色です。
しかしながら、現在のように多様な強いデッキが鎬を削っている環境では、よっぽど突出しない限りは極端なメタを張られづらいのも嬉しい点です。
構築にもほとんど変化はありませんが、複数のトリガーを踏ませないと勝てないような超高速ビートダウンデッキ・フィールドを使うデッキが減っているため《堕呪 エアヴォ》は減少傾向。
逆にコントロールプランの通りが悪くなったため、カードパワー不足で他カードへ枠を譲っていた《堕呪 ゾメンザン》は追加で採用される傾向にあります。
最近は1枚採用がテンプレになっていた《堕呪 ゾメンザン》ですが、現時点では2枚以上採用した構築が増えてきているので、1枚見たからといってもう無いと思い込まないよう注意が必要です。
メタカードに対する脆さ・噛み合いの要求値などの観点からTier3に分類してはいますが、環境におけるポジションのよさで言えば指折りのデッキです。要注目。
【青魔導具】テーマ解説
【青魔導具】に有利なデッキ
- 現在の環境においては特になし
【旅路バーンメア】Tier3
瞬発力の高さでブイブイ言わせる、お馴染みのミッドレンジデッキ。
《ジョラゴン・オーバーロード》が絡めば最速3ターンで射出できる《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》+《アイアン・マンハッタン》のボードロックは、有無を言わさず勝利をもぎとる破壊力を秘めています。
「キリフダッシュ」型の【バーンメア】は最大瞬間風速に乏しく、現在の環境においてはやや馬力不足。今使うのであれば【旅路バーンメア】型がベストでしょう。
一方で、最大値を出すためには4枚ずつしか入っていないカードを3(踏み倒したいカードも合わせれば4)種手札に揃える必要があるため、言うまでもなく要求値は非常に高いです。
《バーンメア・ザ・シルバー》のGR召喚は《とこしえの超人》に絡め取られてしまうため、引きの噛み合い方次第では手も足も出ないこともしばしば。
もちろん《グレープ・ダール》や《灰になるほどヒート》で乗り越えること自体は可能ですが、そうしている間に相手のビッグアクションが間に合ってしまうと取り返すことは難しいデッキです。
総じて、環境的には適さないものの、爆発力が凄まじいため活躍する機会もある、最近の【旅路バーンメア】お決まりのポジションだと言えるでしょう。
【旅路バーンメア】テーマ解説
【旅路バーンメア】に有利なデッキ
- 【5cコントロール】
- 【デッドダムド】
環境のまとめ
現環境の特色として、上位に位置するデッキのほとんど全てがコントロールプランとビートプランを兼ね備えており、なおかつ上振れムーブの押し付けも有しています。
このような環境では、プレイの引き出しの多さが物を言います。相手や自分の引きに合わせて適切なプランを組み立てられるか? が重要になってくるわけですね。
また、このように複数のプランを抱えたデッキが上位に複数存在する環境では、デッキ相性差による優位・劣位はさほど明確に出ません。
簡潔に、「デッキ勝ちしづらくプレイで勝つ必要がある」環境だとも言えるでしょう。
今回Tier3に分類したデッキは、取れるプランの幅がTier2ほど広くなく、なおかつメインムーブにもある程度引きが要求されるデッキになります。
ただし、フェアなミッドレンジ〜コントロールが主軸な現環境の中で、苦手とするメタカードが下火なアンフェアデッキである【青魔導具】は、唯一デッキ勝ちを狙える存在です。
そういう意味では、今最も注目するべきデッキは【青魔導具】なのかもしれませんね。
おわりに
三度の緊急事態宣言により、都心部の多くでCSの開催が中止されています。
なかなかデュエル・マスターズをする機会も少なくなっていますが、前述の通り、現在はプレイの練度がモノをいう環境です。
お買い物には出られなくても、友達との対面プレイは出来なくても。
ネット通販でカードを買ってデッキを組み、一人回しをしたり、はたまたリモートデュエマで対面練習をすることは、緊急事態宣言明けの大会で必ずプラスに働くでしょう。
カーナベルを利用すれば、不要不急の外出を控えつつ、デッキに必要なカードを全て揃えることが出来ちゃいます!
当日15時までの注文で即日発送にてお届けしますので、使ってみたいデッキを見つけた方は、ぜひいち早くカードを手に入れて、練習に活用してみてくださいね。
それでは次回、5月のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!