
デュエマには、環境がどれだけ変わろうと、ただ1枚のカードに恋をして擦り続ける人たちがいます。
新しいカードが刷られるたびに「あの娘と合わせたら……」と目を輝かせ、研究を重ね、大会に持ち込んでは磨き続ける。
そんな人が研究成果として入賞報告を持ってきたとき、こう思うのです。
──時代に再び追いついたんだな、と。
今回ご紹介するのもそんな1人&1山。
12年前のカードが主役のデッキ、
【キリコ3デリート】です!

5/16 ハチツタCS
4位入賞

【 進化クリーチャー 】
種族 クリスタル・コマンド・ドラゴン / 文明 水 / パワー13000 / コスト8
■進化-自分の水のドラゴン1体の上に置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて、好きな順序で山札の一番下に置く。その後、自分の山札の上から、呪文が3枚出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。こうして見せたそれ以外のカードをすべて山札に加えてシャッフルし、その後、その3枚の呪文をコストを支払わずに唱える。
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
さっそく、乗り手のコウジャイ選手にコンタクトを取り、このデッキについていろいろと取材させて頂きました。
ウワサのオリジナルデッキ紹介所、第17弾です。
入賞オリジナルデッキ紹介所とは

デュエル・マスターズにはこんな心の衝動に従い、好きなカードたちと向き合い、独自の牙を研ぎすまし、爪痕を残す環境外デッキ使いたちがいます。
入賞デッキ円グラフの片隅で存在感を示し、ニッチなカードを高騰させ、時に布教せんとするストイックな挑戦者たち。
ウワサの入賞オリジナルデッキ紹介所は、そんな彼らの軌跡を取材して広める場所です。
しかも紹介したデッキはカーナベルECサイトで販売されます!
期間限定ではありますが、気になったオモロデッキをすぐに入手して遊べますので、気になった人はぜひともチェックしてみてください。
【記事のバックナンバーはこちらから】
01 -【緑単スノーフェアリー】
02 -【シータキャンベロ】
03 -【白黒メカ】
04 -【マルピアチェイン】
05 -【トリーヴァライオネル】
06 -【5Cクエーサーユニバース】
07 -【5Cマッドデッドウッドジョニー】
08 -【5Cデンジャデオン】
09 -【トリーヴァリーフStar】
10 -【マッドデッドウッドミスティ】
11 -【クローシスホルンハンデス】
特別編 - GP優勝者の【赤青バイケンカウンター】
12 -【跳次元QEDデュエランド】
13 -【青緑レクスターズ】
14 -【ミケラトレスデリート】
15 -【ルドルフアビス】
16 -【黒緑ブラックオーバー】
デッキレシピ
このデッキはいわゆる【コンボ】デッキです。
まずはサンプルリストをお見せしつつ大まかな動き方・コンセプトから紹介していきましょう。
デッキレシピ
非常に綺麗にまとまったリストです。
動き方も超シンプル。
マナを6or7へと
ブーストで伸ばし
《キリコ3》を出す
それだけです。
そのままザキラ様と勝舞君の夢のコンボが特殊勝利をもたらしてくれます。
そしてこのコンボの肝となるのは《蒼狼の王妃 イザナミテラス》。

【 クリーチャー 】
種族 サムライ/オリジン/ポセイディア・ドラゴン / 文明 水・自然 / パワー4000 / コスト6
■このクリーチャーが出た時、次のうち1つを選ぶ。
▶︎相手のパワー3000以下のクリーチャーをすべて持ち主のマナゾーンに置く。
▶︎自分の山札から1枚目を見て、手札に加えるかマナゾーンに置く。
その後、このクリーチャーから進化できる、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャーを1体、手札またはマナゾーンから選び、このクリーチャーの上に置く。
7マナ、《甲型龍帝式 キリコ3》がマナか手札にある状態でこのカードをプレイするだけで、勝利が確定します。
これ自体はお馴染みの動きなのですが、令和8年の【キリコ3】は一味違います。《BARUGA-雷座87》が登場したおかげで、6マナでもコンボが始動できるようになったのです。
2〜3ターン目までに《BARUGA》の進化元を用意しておく必要はありますが、2-4-6で最速4キルができるようになったのはかなりの強化。
足回りのカードの充実に伴い、速度と再現性を高めた即死コンボデッキ……それが【青緑キリコ3デリート】なのです!
前置きはここまで。
個別カードの解説に入ります。
個別カード解説
レシピの項でも書いた通り、かなりオーソドックスな構築になっています。
入っているカードは《キリコ》と、《キリコ》射出ギミックと、マナ加速基盤カードのみです。
コンセプトカード
《甲型龍帝式 キリコ3》×4

【 進化クリーチャー 】
種族 クリスタル・コマンド・ドラゴン / 文明 水 / パワー13000 / コスト8
■進化-自分の水のドラゴン1体の上に置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて、好きな順序で山札の一番下に置く。その後、自分の山札の上から、呪文が3枚出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。こうして見せたそれ以外のカードをすべて山札に加えてシャッフルし、その後、その3枚の呪文をコストを支払わずに唱える。
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
デッキの核です。12年前とか嘘だ……。
デッキから《オールデリート》と《闘うべき時!!》を唱えて即勝利というわかりやすさを誇ります。
こちらのデッキは4投。
過去の入賞レシピでは3投のケースも多いのですが、コウジャイ選手いわく「引けない気がして」4枚とのこと。
なおそれだけではなく、《改竄の炎 ボルメテウス・ハック》系のメタカードを立てられる可能性を考慮すると、手札にキープしやすい4投は理にかなっています。
《オールデリート》×3
《闘うべき時!!》×3
フィニッシュ呪文はこれら2種×3枚の6枚体制です。2投だとマナ・盾落ちしてコンボが決まらない確率が高まるため、3投は必須と言えるでしょう。
《闘うべき時!!》については代替カードも存在しています。
昔の構築では《龍罠 エスカルデン/マクスカルゴ・トラップドラップ》の下面でスピードアタッカー獣を展開する、なんてプランも存在していました。

それはそれでデッキの強度は上がるのですが、2026年5月時点の環境に蔓延る某クリーチャーに非常に弱くなってしまいます。
一度《頂上連結ロッド・ゾージア5th》を出されると、追加のクリーチャーを供給できず詰んでしまうため、《マクスカルゴ》は今回のレシピでは採用されていません。
ほかにも《闘うべき時!!》のメリットはあり、《支配の精霊ペルフェクト》や《天革の騎令嬢ミラクルステラ》なども乗り越えられるようになります。地味だけど偉い。
キリコ射出ギミック
《蒼狼の王妃 イザナミテラス》×4

【 クリーチャー 】
種族 サムライ/オリジン/ポセイディア・ドラゴン / 文明 水・自然 / パワー4000 / コスト6
■このクリーチャーが出た時、次のうち1つを選ぶ。
▶︎相手のパワー3000以下のクリーチャーをすべて持ち主のマナゾーンに置く。
▶︎自分の山札から1枚目を見て、手札に加えるかマナゾーンに置く。
その後、このクリーチャーから進化できる、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャーを1体、手札またはマナゾーンから選び、このクリーチャーの上に置く。
メインギミックその1。
《キリコ》に進化させる進化元にして、投げたら勝ち……勝利を確定させるカードです。
7マナと《キリコ》さえあればいいのが非常に強力。《キリコ》の置き場所が手札・マナどちらでもよいのもありがたいですね。
《BARUGA-雷座87》×4

【 NEOクリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン/テクノ・サムライ / 文明 自然 / パワー6000 / コスト5
■NEO進化:光、火、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(カードが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う)
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から2枚をタップしてマナゾーンに置く。
■メテオバーン:このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚墓地に置いてもよい。そうしたら、自分のマナゾーンにあるカードの枚数よりコストが小さいクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出す。
メインギミックその2。
このカードによって、2-4-6のマナカーブで動いて4ターン目に《キリコ》を着地させることが現実的になりました。本当に革命です。
その上でこのカードがさらに偉いのは《キリコ》が出せなかったときにも仕事をすること。
例えば、《ミラクルステラ》をとりあえず射出して相手に対してロックをかけつつ、次のターン以降の立て直しを図ることができます。
また《BARUGA-雷座87》→《イザナミ》→《BARUGA》→《ミラクルステラ》と連鎖させることで盾を詰めながら攻めることも現実的です。
こういうサブプランは、フィニッシュ呪文を引きすぎるといった不測の事態のリカバリー策にもなるのであって越したことはありません。
《イザナミの海地図》×2

【 タマシード 】
種族 サムライ/オリジン/ポセイディア・ドラゴン / 文明 水・自然 / コスト4
■S・トリガー(このカードをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ実行してもよい)
■シンカライズ(このタマシードがクリーチャーであるかのように、この上に進化クリーチャーを置いてもよい)
■このタマシードが出た時、自分の山札の上から2枚を見る。その中から1枚を手札に加え、もう1枚をマナゾーンに置く。
こちらは4マナ帯で使えるブーストカード兼進化元です。
タマシードであることが非常に優秀で、《轟腕のR ダグラジャパニカン》や《頂上連結ロッド・ゾージア5th》などのクリーチャー除去が当たらないため場持ちが抜群。
シールド・トリガー持ちなおかげで、《宇宙妖精エリンギ》などと一緒に踏ませて切り返したり、【ゴルギー】の《巨魔天 アオフェシー》プランに裏目を作ったり……本当に一粒で何度もおいしいカードです。
《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》×3

【 クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド・ドラゴン/革命軍/ドレミ団 / 文明 水 / パワー8000 / コスト6
■G・ストライク
■ブロッカー
■ジャストダイバー
■W・ブレイカー
■相手がカードを実行した時、自分はカードを1枚引いてもよい。このターン、相手のクリーチャーは攻撃できない。
環境にマッチしたメタカードであり、優秀な進化元です。
【der'Bande】【ゴルギー】【ウィリデ】【王道ドギラゴン】など大半のデッキに刺さりつつ、ターンとリソースを稼いでくれる……即死コンボデッキにとっては神のカードと言えるでしょう。
しかもそれが水のドラゴンとして《キリコ》の進化元になるのだから恐ろしいですね。
なぜかGSも持っているため、受け札としても最低限の仕事をしてくれます。
マナ加速&基盤カード
《キリコ》の能力の性質上、呪文のマナブーストを積めないため、タマシードやクリーチャーのブーストが基本となります。
《ジャスミンの地版》×4

【 タマシード 】
種族 スノーフェアリー/レクスターズ / 文明 自然 / コスト2
■シンカライズ:このタマシードがクリーチャーであるかのように、この上に進化クリーチャーを置いてもよい。
■このタマシードが出た時、自分の山札の上から1枚目をタップしてマナゾーンに置く。
《ARA結-510》や《BARUGA-雷座87》と相性が抜群の初動カード。
弱い点はほぼ無く、あえて言うなればマナがタップインする点ぐらいですが、それを補って余りある安定感があります。
《シェル・アルカザール》×4

【 クリーチャー 】
種族 コロニー・ビートル / 文明 自然 / パワー1000 / コスト2
■S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
■このクリーチャーが出た時、コスト3以下のエレメントを1つ選び、持ち主のマナゾーンにタップして置いてもよい。
クリーチャーの《フェアリー・ライフ》。
最低限の受けにもなり、【der'Bande】や【ドリームメイト】などの初動を返しながらマナを伸ばすことができます。
トリガーで除去として使うと自分のマナが増えないのがもったいなく見えますが、この次に紹介する《ARA結》でマナに送ることができるため、実は無駄がない設計。
細かいところまでよく練られた構築です。
《ARA結-510》×2

【 NEOクリーチャー 】
種族 ワイルド・ベジーズ/テクノ・サムライ / 文明 自然 / パワー2000 / コスト2
■NEO進化:光、火、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■このクリーチャーが出た時、このクリーチャーをタップしてマナゾーンに置いてもよい。
2コストブーストの9~10枚目です。
単純なブーストとして優秀なのはもちろんなのですが、実はジャンプアップカードとしても優秀。
《ジャスミン》や《アルカザール》の上に重ねることで3ターン目に2ブーストを決め、4ターン目に7マナの状態を作ることができます。
最速フィニッシュを狙う上で非常に重要な1枚です。
《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》×3

【 G城 】
文明 自然 / コスト3
(G城は実行したら、表向きでシールド化される。このカードが表向きで自分のシールドゾーンを離れる時、かわりに墓地に置く。)
■このG城が表向きで自分のシールドゾーンに置かれた時、自分の山札の上から1枚をタップしてマナゾーンに置く。
■相手のクリーチャーが召喚以外の方法で出る時、かわりにマナゾーンに置く。
メタ+自分の動きを同時にこなせるカード。
【緑単キャベッジ】をはじめ、様々なデッキ相手に時間を稼げます。自分の手も伸びているので、即死コンボデッキにとってこれほど頼りがいのあるカードはなかなかありません。
なお、相手に使われると超辛いのもこのデッキの特徴です。
《宇宙妖精エリンギ》×4

【 クリーチャー 】
種族 スノーフェアリー / 文明 光・水・自然 / パワー4500 / コスト5
■S・トリガー・プラス (この呪文を自分のシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい。それが相手のターンで、そのターン中に自分のシールドが2つ以上ブレイクされていれば、この呪文にP能力を与える)
■P−このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーをすべてタップする。
■ブロッカー
■このクリーチャーが出た時、カードを2枚引く。その後、自分の手札を1枚マナゾーンに置いてもよい。
色が合う受けトリガー。
【der'Bande】や【王道ドギラゴン】などを受けつつ、次のターンのコンボの下準備をこなす……文句なしの4投です。
ここまでが採用カードの解説です。
続いて立ち回りについて軽く説明しましょう。
立ち回り方
目指すマナカーブは2-4-6、場合によっては2-4-7や2-4-6-7の動きも狙います。
動き方はオーソドックスかつシンプルですが、その上で腕の差が出てくるのはハンドキープの判断です。
例えば相手のデッキに強力なメタカードがあると判断できる場合は、《イザナミ》と《キリコ》を手札にキープして手出しでの着地を狙う……。
逆にメタが薄そうな相手には《BARUGA》プランを優先して速度で押す——この見極めが基本的な立ち回りの軸です。
さらにフィニッシュ呪文を引きすぎた場合は、マナに埋めすぎないようにしましょう。
《キリコ》の能力でデッキに戻す動きを意識しないと、手元にフィニッシュ呪文しか残らないケースが起きうるためです。
なお、気をつけたいのが《~世紀末の善悪~》。
実際のCSで、フィニッシュ呪文を両方手札から抜かれてそのまま負けたことがあるとのこと。

手札管理には十分注意しましょう。
このデッキの強みについて
いわゆる【環境外デッキ】なので、相手の知識不足を刺すわからん殺しができるのはもちろんですが、このデッキならではの強みがいくつかあります。
攻撃を介さない即死コンボである
このデッキ最大の強みが、攻撃を一切しないで勝てるという点です。
《キリコ》を出すだけでゲームが終わる……。
現代デュエマでインフレし続けるトリガーの脅威を丸ごと無視できるのはもちろんなのですが、とどめの一撃が《闘うべき時!!》なおかげで「攻撃封じ」「ゾージア系ロック」も刺さりません。
メタが刺さりにくい即死コンボである
より正確に言うと、2026年6月時点の環境に出ているメタカードの多くが刺さりません。
こういったメタカードに付き合わずにすむため、相手のデッキの1/5ぐらいを腐らせつつ、こっちはマナを伸ばすだけでよい……構築段階で有利をつけることができます。
要求値が非常に低い即死コンボである
《キリコ》を含めて7マナあれば、《イザナミ》を出すだけで勝てる……それまでにお手軽なコンボです。
キープしなければいけないカードが実質1枚なので本当に狙いやすいデッキと言えます。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
時代とともに進化し続けた【キリコ3デリート】は最速4キルとサブプランを兼ね備え、堂々と環境に爪痕を残しました。
このデッキの個人的に胸熱なポイントは……
コレジャイ選手の《キリコ》愛でしょうか。
彼がこのデッキを握り始めたのはデュエマ復帰時——なんと9年前まで遡ります。

この頃だそうです
その後腕を徐々に上げ、5年前頃に《切札勝太&カツキング~熱血の物語~》などの登場に伴い【龍軸キリコ3】が組めるようになってから、競技環境に参戦されたとのことです。
当時は《無双と竜機の伝説》を3連打ァしていたそうです。わかるなぁ!
その後もずっと同じデッキを擦り続け、新弾が出るたびに試しては変え試して変え……
【ニバイケン】【ウィリデ】【der'Bande】など
有利がある程度つく相手が増えた瞬間……
環境の空隙を縫って、入賞をされた!
この話を聞くだけで胸が熱くなりました。
実際、環境を定義しているメタカードによって強さが大きく変動しワンチャン狙えるデッキだと思います。気になった方はカーナベルでパーツをいろいろと集めてみて、ぜひ試してみてくださいね。
それではまた来週お会いしましょう!
使い手:コウジャイ選手
取材 : sobo
※この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の認可/許諾は得ておりません。
題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
©Wizards of the Coast LLC.

























