この記事の3行まとめ
・入賞オリジナルデッキ紹介所25回突破!
・取材から学んだこと、沢山あります!
・その中から10個を独断で選んでご紹介!
はじめに
入賞オリジナルデッキ紹介所。

CSで4位以上の実績を残された環境外デッキ使いに突撃インタビューし、その構築や立ち回りの秘訣を聞く週刊連載企画です。
その連載がなんと

しました。(25話+特別編)要は半年です。
取材担当としての達成感も確かにあるのですが、それ以上にこみあげてくるのは畏敬の念。
繰り返しますが、これは週刊連載です。つまり
毎週のように新しい
環境外のデッキが
CSで入賞してる
ってことです。
凄くないですか? デュエマというカードゲームの懐の広さ。そしてビルダーの知的好奇心の深さ。
さて25回も取材をしていると違うビルダーからまったく同じ発言が飛び出したり、構築方法が似ていたり……ということに気が付きます。
そう、独自山ならではの共通項が見えるのです。
そこで、今回は連載25回の記憶をさかのぼり、取材を通じて私が学んだことをいくつかご紹介します。
当たり前のこと、言われてみると納得なこと、いろいろあると思います。好きなカードで勝ちたい! という人の役に少しでも立てれば僥倖です。
Duel Masters Memory とは
本企画はアドベントカレンダー式ブログ企画「Duel Masters Memory」の1つとしてお送りします。豪華なライター勢が、あなたの記憶に残るデュエマの記事を毎日お届けする企画です。
昨日はプレイン選手による文明ごとの特徴や戦術を語りつくす記事でした。カラーパイについて知りたいという人にピッタリの逸品です。

気になった人はXのハッシュタグ#DuelMastersMemoryをチェックするとよいとされています。毎日読めておトク!
では、本題を始めましょう。
オリジナルデッキ使いから学んだこと
手数の多さはデッキの強さ
デュエマはマナコスト制のカードゲームです。
各ターンに出力できるカードの枚数に制限がある中で、コストの踏み倒しや能力の連鎖で手数多めに動けるデッキが強いのは自明の理。
つまりコスト踏み倒しが強いってことでしょ、と思われるかもしれませんが、それだけに限りません。アプローチはいろいろあり、
1手が複数のアクションを兼ねるように構築を練る
例えば【トリーヴァG城ギャラクシールド】は表向きの楯が増えていく道中に「おまけ」で《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》が貼られたり、楯を仕込む同時に盤面に無敵獣を展開したりできます。

後者は地味ながら次のターンの《烈しき切札 ドギラゴン逆》への革命チェンジ要員にもなっており、本当に無駄がありません。
コンボデッキである【5Cクエーサーユニバース】はキーカードである《超愛銀河クエーサー・ラブエクスパンジョン》が山札を5枚振ってくれます。

なので、このカードを出すという1手で
・進化先の《究極銀河ユニバース⦆をマナに置く
・進化元をはがすコンボパーツの確保
・保険としてのS・トリガーの仕込み
をこなしているわけです。
相手ターン中に展開する
相手ターンにマナを使わずにプレイできるカードを使う……手札誘発です。
GP優勝者の Grimoire 選手の【赤青バイケンカウンター】はこの筆頭格。基盤がもはや出張パーツ化して様々なデッキに採用されているのを見かけます。

一方、同じシノビ搭載デッキでも【白黒メカ】や【白黒シノビマントラ】などは手札誘発に加えて離れたとき能力もうまく使いこなしています。


相手目線だと除去も打てず……かといって放置すると事態は悪化するという嫌らしい展開方法です。
1枚が2枚になるカードを連鎖させる
【トリーヴァリーフStar】の《心転地と透源郷の決断》からの連鎖が該当します。

殿堂入りが決定した【der'Bande】でもお馴染みの動きですが、確定サーチを絡めていることで確殺力が大幅にアップしてますね。
【マルピアチェイン】は、《アーテル・ゴルギーニ》の1を2にする能力に加えて置換耐性まで悪用しています。これぞ《 フォース・アゲイン 》!


このように、オリジナルデッキの多くはあの手この手で手数を増やしていました。
デッキの出力がどうしても足りない……環境デッキに対して店舗で追い付けない時は、このような手数を倍増するカードを探してみるのも1つの手でしょう。そんな簡単にできたら苦労しないのは、そう。
パワーカードと基盤は使い得
環境デッキの多くが現代兵器で攻めてくる中、オリジナルデッキも研ぎ澄ました一振りの刀「だけ」で戦うわけにはいきません。
多くのビルダーは、デッキが欲している「役割」を言語化し、それに応じてパワーカードや基盤を使い分けられています。
例えばターンを稼ぐカード。
ゲームレンジを引き延ばしてこっちの勝ち筋を通しやすくしたいときは、この子たち。
確殺力をアップさせるならこの子たち。
結構いろんなデッキが積んでいます。
デッキ内のリソース獲得+手数を増やして本命のコンボの再現度を上げるために【トリーヴァ創世竜】基盤を採用したデッキもあります。
時には常人には理解できない基盤の流用の仕方を行う奇才も現れますが……

とにかくデッキの求めている仕事をこなすパワカと基盤は入れ得です。古今東西の使えるパッケージを頭の中に入れておくことが重要でしょう。
受けは「凌ぐ」だけじゃダメ
読んでの通りです。
S・トリガーやG・Sなど防御手段が豊富になってきたデュエマですが、それと同様に……いや、それを上回る速度で攻撃手段もインフレしています。
多くの入賞オリジナルデッキに共通している点は、

という理念に基づき受け札が選定されていること。
まず前者。
例えば【キリコキュービック】はマナが《キリコ》含めて6枚、手札に8枚の始動パーツが1枚あれば勝てるのでまさに「凌げば」勝ちの典型例です。

だから《宇宙妖精エリンギ》は最強なんです。
【シータキャンベロ】や【クローシスホルンハンデス】などが積んでいる受け札+《轟く邪道レッドゾーン⦆のセットもある意味で同じ発想です。


受け強デッキの《レッドゾーン⦆は異様に強く、
・トリガー獣からD・D・Dで殺す
・先に楯を割った後、受けきって殺す
と殺意モリモリ、相性抜群。
このようにいつでも相手を斬殺せしめるギミックを搭載しつつ、受け札を選ぶことは重要です。
2つ目の「防御札自体で殺す」はそのまんまです。
【跳次元Q.E.D.デュエランド】は《流星の逆転撃》から《龍素王Q.E.D.》を直だしするという脱法ムーブが搭載されています。


これにより、返しのターンの《夢の変形 デュエランド》による特殊勝利がほぼ確定します。
根強い愛好家が多い【MDW】系統もこの分類に入るでしょう。愛好家の愛が根強すぎてなぜか2種類も入賞→紹介しております。


入賞数がうなぎのぼりの【5Cデンジャデオン(グランセクト)】もこの好例。
キーカードである《超時空罠デンジャデオン》は受け札でもあり、使った後に、他の受け札から蘇生できるため、受けること自体が勝ちに直結します。


そしておそらく一番(相手目線で)踏んだ時の被害がひどいのは【マルピアチェイン】でしょう。

デッキのコンセプトが27枚のS・トリガーの暴発連鎖なので、踏んだらそのまま相手ターン中にカチャカチャ動いて《悪魔世界ワルドバロム》が出ます。
序盤の超安定性は差別化要素になる
すべての環境デッキが強い動きを毎回できるわけではありません。引いたカードで戦うしかない(それでも強い)デッキも多々あります。
これに対して、引きムラを抑えつつ、無理のない形で序盤の動きを超安定させたデッキは……それだけで勝率が少し高まります。
わかりやすい例で言うと……
デッキの半数が手札や墓地を整えるカード、しかも受けや打点といった複数の役割を持ち、無理のない構築に収まっている【黒緑ゾロアスタート】。

アドを稼ぐタマシードと確定サーチ/ドローで、3、4ターン目までの動きがめちゃくちゃ安定する【青緑レクスターズ】。

環境デッキの多くは上振れムーブを持っている反面、すべてがすべてこれらのような再現性で動けるわけではありません。
再現性が高く、出力は環境デッキの平均点に対して少し劣っていたとしても、出力のムラ・標準偏差の狭さで勝つ……というのも1つの手なのです。
1枚で複数の役割を兼ねる神の札を探す
特定の対面にしか刺さらないカードを積むということは、刺さらないデッキとの試合で使えるカードの枚数が減っていること。
引いたらその時点でハンドー1です。
なので、できるだけ多くの対面を見たり、役割をこなしたりする汎用札が求められるのですが……
環境でオリジナルデッキで戦っているビルダーは、こういうギミックやカードを見つけ出すのが異様にうまいです。
例えば、【白黒シノビマントラ】の《「こ、これは忍者秘伝、火遁の術よ!!」》。
ハンデスと盤面破壊を同時にこなせるいぶし銀な1枚。メタの露払い、妨害、そして詰めの盤面では無料で唱えて実質的な盾焼却を兼ねます。
シノビとのシナジーがなかったとしても優秀なので別のオリジナルデッキである【赤黒クローシスホルンハンデス】に入っているくらいです。
幅広い方面に刺さりつつ、スレイヤーで地上戦のリスクを下げてくれる《星空に浮かぶニンギョ》。闇の進化元を用意する必要がある【ルドルフアビス】に最適なメタカードです。

墓地肥やし、受け、スレイヤーを兼ねる《防ぐ混沌 タタミマントラ⦆。【白黒シノビ】のみならず最近の【黒緑ゾロアスタート】にも採用が時折見受けられる優秀獣です。
【トリーヴァG城ギャラクシールド】の《鎧亜目邪王類デス=ヴェルムート》はアド稼ぎに加えて、盾増やしによるビートダウン対策……そして特殊勝利条件達成を補助してくれます。

【リースフットFNTジスタ】の《MATATA-美吾罪261》も芸達者。メタ焼き、3-5のマナ加速、そして超魂Xの発動……と役割が多岐に渡ります。

こういう「生きた」カード知識が重要なんだなぁ、と取材するたびに感じます。
火文明の単色カードが弱い
いきなり二ッチな話題ですが……3人以上のビルダーが言及されていた、割とよくある悩みです。
特に【5C】系統のデッキだと顕著に出るようでして……。
多色デッキの動きを安定させるために火単のカードを入れたい……入れたいんだけどカードパワーが高いカードが全然ない! と皆さん憤っていました。
いやいやこの2枚があるじゃん?とお思いの方。
この2枚しかないのが問題なんです!
別にコンボデッキなどに積極的に入れたいカードではないですからね……強いけど。
太い勝ち筋が複数ある=正義
耐久(ロングゲーム)と速攻。
特殊勝利とビートダウン。
メインの勝ち筋が太いことは前提として、その上で別のプランやキルレンジを操れるデッキは強いです。特に特殊勝利の存在は重要で、受けデッキに対しての勝率に直結します。
例えば【デイガ逆転龍神ループ】は、全盾破壊ループと特殊勝利と超化獣による早期押しつけを使い分けています。


いまやオリジナルデッキ……を飛び越えて環境デッキの仲間入りをした【黒緑ゾロアスタート】は即死コンボに近いワンショットムーブを有しつつ、フシギバースによる長期戦にも対応しています。
この系統のデッキで、ある種の究極系ともいえるべき例は【トリーヴァライオネル】でしょう。

速攻、ロングゲーム、特殊勝利を兼ね備えたケルベロスデッキ……圧倒的な対応力で優勝していました。

わからん殺しは言語化してこそ
オリジナルデッキに関連して「地雷デッキ」「わからん殺し」という単語があります。環境外デッキの使い手なら、一度は口ずさみたくなります。
ですが、環境でメジャーじゃないデッキである=わからん殺しができる……ではありません。
Tier 1デッキの多くは、相手の動きに付き合わず、ただやりたい動きを押し付けるだけで勝てるから、環境デッキなんです。
それを踏まえた上で「わからん殺し」を使いこなしている例としては、以下のようなものがありました。もちろん、決まるかどうかは相手の練度次第です。
・キルレンジの秘匿
・除去の宛先の誘導
・過剰な警戒の誘発
・搭載受け札の偽装
まずはキルレンジの秘匿。
相手目線で、相手自身の動き/妨害のどっちを選択するか、選択肢をミスらせることができます。
例えば【緑単スノーフェアリー】は(手札次第ですが)速攻も長期戦もできるデッキ。知らない相手がメタ獣を出さなかった結果、以下の2体が早期着地……なんてことはよくあります。

続いて除去の宛先の誤認。
相手にテンポロスや裏目をつきつけます。
【白黒メカ】の《アシステスト・アルデッド》なんかはその典型例。守りたいシステムクリーチャーがほかにいるときに先に囮として出して、本命を通しやすくします。
ドローがあるおかげで、こっちのプレイ自体にあまり裏目が無いのがいいですね。
過剰な警戒の誘発……は相手のプレイを歪ませるような動きです。
【4Cギュウジンベン天門】なんかは、《伝説の正体ギュウジン丸》をマナに見せるだけで、相手の展開を少し歪ませたとか。ほんまか?


【白黒メカ】や【白黒シノビマントラ】なんかは相手に対して予測不可能回避不可能な手札誘発の罠をぶつけるデッキ。なんなら採用されていないカードの存在すら活用します。
定石が無く、何が期待値的に一番正しいのかわかりづらいので……相手をしているだけでも嫌でしょう。
最後に受け札の偽装。こちらも多岐に渡ります。
そもそもの枚数を誤認させる【クローシス絶交蛇王オーパーツ】。本質はビートダウンにして受け札が20枚も積まれています。
同じ役割の異なる受け札がピン投でちりばめられた【MDWジョニー】。

これに限らず、【5C】のデッキは色バランスの調整もかねて受け札を散らす人が多い印象です。ケアしきれんって。
デッキは見た目で判断しない方が良い
自分の見る目が無いと言われればそうなのですが、それを差し引いても多くの環境外デッキの見た目って独特です。
乗り手が連続入賞してようやく広まってきた【5Cデンジャデオン(グランセクト)】。某 YouTuber にも取り上げられてましたね。

自然が8本しか取られていないことを始め、いろいろと突っ込みたくなる【ミケラトレスデリート】。

かくいう私の【青緑レクスターズ】も
見た目が終わってる
どうやって勝つの?
主張点が見えない
などとの暖かいお言葉をたくさん頂いています。(実話)

……強い弱い言いたくなる気持ちはわかりますし、自由に言えばいいと思うんですが、過度な嘲笑とか冷笑はやめたほうが良い……というのが25回の取材の教訓です。
デュエマ、回さないとわからないです。
仮想敵を絞ろう
これはほとんどの人が取材で触れられて点です。
ループは割り切りです! 【ゴルギー】は気合で避けましょう! と何度言われたことか。
環境上位のデッキ4-5種すべてをメタるよりも、特定の相手を割り切り、残りに勝てるようにした方が良い……というのは本当にそう。
なんなら【赤青バイケンカウンター】はGPという舞台で下馬評で圧倒的だった【ゴルギー】を避けて優勝をおさめてますからね。説得力が段違い。

シビアな「愛」が強さの源
プレイヤーの多くが好きなデッキ・カードで勝ちたいからこそ、そのカードに対してはシビアな……やもすれば冷めた目を向けて評価しています。
腰低く【白黒シノビマントラ】を「ちょけデッキです」と口では言いつつ、デッキの弱みと強みを徹底的に言語化され勝ち続ける明太King選手。

【フット"FNT"ジスタ】の弱点に徹底的に向き合い、解消された手練手管選手。

極めつけはGP王者の Grimoire 選手のこの一言でしょう。
悪いところを見ないと、
勝たせてあげられないので
Grimoire選手
愛なんだなぁ、と25回すべてで感じ入りました。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
25人の異なるデュエリストたちに共通していた愛、技術、構築論。振り返るだけでも学びがたくさんありました。
これを読んで1人でも多く、オリジナルデッキの使い手が増えることを勝手ながら祈っています。
そして読者の皆様にデュエマに関する記事を毎日お送りするブログ企画「DuelMastersMemory」は始まったばかりです。
明日はえくれあ選手による大型大会の企画から運営までの軌跡レポが上がるとか。こういう舞台裏の話ってめちゃくちゃ面白いんですよね……めっちゃ楽しみです。
文責:sobo
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